研究課題/領域番号 |
17560726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リサイクル工学
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研究機関 | 苫小牧工業高等専門学校 |
研究代表者 |
清水 祐一 苫小牧工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (80142694)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | バイオマス / セルロース / 酸糖化 / 還元糖 / 電気透析 / 培地 |
研究概要 |
1.セルロースの硫酸糖化条件の検討 精製パルプを用いて硫酸糖化の条件を検討した結果、高いグルコース収率を得るためには前糖化として硫酸濃度71%以上(室温)、後糖化において硫酸を希釈後100℃の処理が必要であることおよび糖化速度は希釈硫酸濃度に大きく依存し、過度の処理はグルコース収率を低下させることを明らかにした。なお、いずれの条件でもグルコース収率は約90%に達した。 2.電気透析による硫酸と糖の分離回収 電気透析は硫酸と糖の分離回収に有効であり、硫酸糖化液中の硫酸は定量的に回収液へ回収された。また、電気透析の消費電力は電極液の硫酸濃度に依存すること、回収液を硫酸とした場合、透析後の回収液硫酸濃度を高くできる反面消費電力も多くなることを明らかにした。 3.粉末セルロース製造工程排水中の還元糖のを利用 粉末セルロース製造工程の排水から電気透析により回収した還元糖溶液を、酢酸菌による微生物セルロース(以下BC)合成用の培地成分として利用したところ、BCの生産量はわずかであった。これは、排水中の還元糖の大部分がキシロースであり、酢酸菌のキシロース資化能力が低いためであった。グルコースイソメラーゼで処理し、排水中のキシロースをキシルロースに異性化した後に調製した培地でBCの合成を試みたところ、異性化処理時間と共にBC収量の増加が認められた。従って、キシロースは異性化処理によりBC合成に有効利用できることが確認された。今後は効率的な異性化方法の検討が必要である。 4.製紙工程排水中の廃パルプの硫酸糖化 廃パルプを1.の条件下で硫酸糖化した結果、加水分解率は60数%で、かつ分解残渣中に有機分が残存していたことからセルロースは完全に分解せず、また無機成分もかなり溶解したことがわかった。この糖化液を電気透析により脱酸して培地を調製し、酢酸菌によるBC合成を行ったところ、標準培地の1/5程度のBCが生成した。従って、廃パルプの酸糖化液はBC合成用の炭素源として有効であることが確認された。
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