研究課題/領域番号 |
17560737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
林 巧 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (70354678)
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研究分担者 |
中村 博文 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (20354615)
磯部 兼嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (00354613)
奥野 健二 静岡大学, 理学部, 教授 (80293596)
小林 和容 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (40354609)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 構造・機能材料 / 水素同位体 / 表面・界面物性 / 挙動解析 / トリチウム / オートラジオグラフィー / 鉄 / 酸化膜 / 界面・界面物性 / パラジウム |
研究概要 |
初期に酸化物層が存在しない純鉄試験体及び、界面に酸化膜層を有する純鉄試験体を用い、金属一水界面を介した化学形弁別水素同位体移行試験を実施した。結果を界面酸化膜の成長観察と比較し、トリチウムの存在状態観察の試みや計算機的手法による移行解析とも比較して、界面での水素同位体の移行機構を検討した。成果を、国内外の学会で報告し、論文を纏めた。以下に、具体的成果を示す。 1)純鉄試料はφ10x75^1xlmm^tでSUS管に電子ビーム溶接して使用。酸化膜試料は、150℃、8気圧の高温水中で自然形成させて調整。10時間で約0.6μm、20時間で約1.4μm程度の緻密な膜(内層)の成長を観察。なお、外層にはポーラスな酸化物層があり全てマグネタイト(Fe_3O_4)。 2)試料配管内部に7.4GBq、1kPaの高純度トリチウム(>90%)を封入し、150℃、8気圧で水容器中に移行するトリチウムを純He及び1%水素添加Heで水容器内をパージし、水中でのトリチウムの存在化学形を弁別しつつ連続的に移行量を把握した。 3)結果、水へのトリチウムの移行速度はガス透過係数から計算機的手法により求めた値の約1/5程度で、酸化膜の有無・成長に影響無く定常的に移行していることが判明した。 4)水中に移行したトリチウムは、初期に酸化物層がない場合はHTとしても存在したが(HTが>30%、他はHTO)、酸化膜の自然成長とともにHTは健著に減少し、約1.4μmの酸化膜存在下では殆どHTOとして存在するように劇的に変化すること(HTはく1%)、酸化膜を機械的に除去すると短期的にHT成分が増加することが判明した。 5)パージガスとして水素の導入(溶存水素濃度の上昇)を試みたが、実験条件の範囲内で顕著な変化は無かった。オートラジオグラフ法で金属内部の一様なトリチウム分布を観測したが、酸化物層と金属内部の界面近傍の結果が得られなかった。 6)以上の結果より、金属一水界面での水素同位体は、界面に酸化膜が存在しない場合は再結合してガス状で、酸化膜が存在する場合は界面で水酸基等を形成するなど相互作用し、その後主に水との同位体交換反応で水分子として水相に移行することが示唆された。 7)また、純鉄においては、界面の自然酸化膜形成及び%程度の水素ガス導入等での水素同位体移行量の制御は難しいことが解った。 8)原子力学会2006、2007年春の年会、2006ANSのトピカル会議で成果を報告。論文化した。
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