研究課題/領域番号 |
17560742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩井 岳夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30272529)
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研究分担者 |
阿部 弘亨 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40343925)
土田 秀次 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50304150)
濱口 大 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (60396926)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,610千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ボイドスエリング / ナノボイド / 金属 / 陽電子消滅法 / ニッケル / 陽電子ビーム / イオン照射 |
研究概要 |
ニッケルは他のFCC金属のようにボイドスエリングを起こしやすく、ある温度領域において熱的に不安定な空孔型欠陥によってボイドの核生成が起こっていると考えられる。スエリング挙動もイオン照射や中性子照射によって明らかになっており、我々の目標とする、「照射中にのみ存在するような不安定空孔型欠陥生成の直接的証拠」の検出にニッケルは適していると考えられる。イオン照射下で生成する空孔型欠陥を、低速陽電子ビーム装置と高エネルギーのイオン加速器とを結合した照射測定システムを用いて分析した。ニッケルとアルミニウムの2つのFCC金属に対して、"その場"陽電子消滅ドップラー測定を、照射下および非照射の間で実行した。照射中のSパラメータの増加はアルミニウムでは観測されなかったが、ニッケルでは観測された。そのニッケルでの観測結果は、照射下での空孔濃度が照射後に残存する空孔濃度よりも高い、つまり過渡的あるいは残存しない欠陥によるものと考えられる。そのような過渡的な空孔の形成は、欠陥蓄積や欠陥の集合のプロセスに密接に関連がある。 本研究で示したその場測定技術は、イオン照射環境の下で材料中に生成する空孔の調査のための強力な道具として役に立つことが示された。陽電子消滅γ線のドップラー拡がり法では、欠陥の特徴(例えば密度やボリュームサイズ)に関しては、陽電子寿命に比べると定性的な情報に限られる。対照的に、陽電子寿命は、より定量的な評価が可能になる。我々は、照射効果(特に照射の間、一時的に生成される空孔型欠陥の定量的理解)に対するより正確な調査をするため、材料のイオン照射下その場陽電子寿命測定へと発展させる計画である。
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