研究課題/領域番号 |
17570001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 (2006) 筑波大学 (2005) |
研究代表者 |
小林 正友 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 博士研究員 (40360549)
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研究分担者 |
古久保 克男 (徳永 克男) 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (00272154)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 神経科学 / 脳・神経系 / ショウジョウバエ / 学習・記憶 / マイクロアレー / RNAi / 神経発生 / 脳・神経 / 学習記憶 / 遺伝子 / RNA干渉 |
研究概要 |
脳神経系の高次機能解析は神経科学では重要な課題の1つである。学習・記憶に関連した研究はショウジョウバエやマウスなどのモデル生物を中心に数多く報告されている。ショウジョウバエ脳ではキノコ体と呼ばれる神経構造体が学習・記憶の中枢と考えられている。キノコ体の高次神経構造がどのような遺伝子群でその形態や機能を制御しているか調べるため、DNAマイクロアレーによる網羅的解析を行った。DNA合成阻害剤を用いた化学殺傷法によりキノコ体を破壊した個体と野生型からtotal RNAを抽出し比較解析を行った。ANOVA処理後、キノコ体で高く発現する遺伝子、約100個を選別した。TSA増幅法によるin situ hybridization法により、成虫脳での各遺伝子の発現を見た。キノコ体細胞体や脳皮質周辺の比較的広い領域で選別遺伝子の発現が認められた。選別遺伝子の推定された分子機能は、哺乳類でも高く保存された酵素群、転写遺伝子群およびシグナル系因子など、脳の高次機能やキノコ体発生に関わる因子が探索された。キノコ体発生における影響を調べるため、各遺伝子の2重鎖RNA変異体をキノコ体特異的なGa14系統で発現させ、ノックダウン実験を行った。国立遺伝学研究所の上田研究室のRNAi変異体バエ約40系統を利用し、8例でキノコ体発生中に何らかの形態異常が確認された。今後の更なる単一細胞レベルでの機能損失型実験や個々の突然変異体の検討が必要だが、変異体解析のヒントとなる情報を数多く発見できた。ショウジョウバエでは組織特異的ノックアウト解析に加えて、時期特異的なノックアウト実験法も開発されつつある。今後ますます遺伝子の網羅的な機能解析実験も進んで行く事が予想される。今後、脳の高く保存された遺伝子群のさらなる解析により、種を超えた学習記憶中枢遺伝子の分子基盤を明らかにして行きたい。
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