研究課題/領域番号 |
17570009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大舘 智志 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (60292041)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | チビトガリネズミ / チトクロムb / コントロール領域 / 遺伝変異 / 地理変異 / 系統地理 / 生息地分断化 / マイクロサテライト遺伝子 |
研究概要 |
採集の結果は、17年度では、博物館等の保存標本と自らが採集した標本数は、フィンランド15頭、ノルウェイ1、ロシア・カムチャッカ1、同・マガダン州4、同・沿海州5、同・ハバロフスク1、樺太2、国後島1、北海道サロベツ11、同・根室5、同・浜中町2、同・嶮暮帰島5、であった。18年度には、北海道白糠町12頭、同・猿払村1、北部モンゴル1が捕獲できた。道内ではこの他に分布している事が予想された鵡川町、新ひだか町から大樹町の太平洋岸沿岸での捕獲調査を行ったが、捕獲出来なかったことから、これらの地域では、既に絶滅した可能性が示唆された。 以上により今までは殆ど不明であったチビトガリネズミの生息場所についての新知見を得ることができた。それはチビトガリは海岸砂丘や岩礫地で捕れることである。これは今までのトガリネズミ類の生息地としては常識外の場所であり、チビトガリは生態的にこれらの不適なハビタットに追いやられている可能性が示唆された。 以上のサンプルを用いたミトコンドリアのチトクロムb遺伝子およびより変異が高いコントロール領域の配列による系統解析によると、ユーラシアの東部と西部ではかなり遺伝的に異なっていることがわかった。また。-ラシア東部内でも地理的分化が認められた。また、北海道産のものは遺伝変異がほとんど見られないのに対して、フィンランド産のものは同じような面積から採集したのにもかかわらず、大きな遺伝変異が見られた。北海道の個体群の遺伝変異の少なさは、現在の個体群が最近のボトルネックを経験していることを示しているのかもしれない。一方、大きな遺伝変異のあるフィンランド産の個体群についての一つの仮説として、最終氷期にはヨーロッパでは大陸氷河が発達したために地域個体群が絶滅し、複数の避難地に分散していたものが氷河の後退とともに再融合したために遺伝的変異が高くなった、というシナリオが考えられた。
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