研究課題/領域番号 |
17570020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
菊地 淳一 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (10379521)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | フタバガキ / 根系 / 菌根 / 植生 / 熱帯雨林 |
研究概要 |
インドネシア、スマトラ島中部のジャンビ州にあるガジャマダ大学演習林内で調査は行った。 1.植生-1haの植生調査区内には胸高直径10cm以上の樹木が総計402本あり、少なくとも31科70種の樹木が分布していた。調査区内の樹木の胸高断面積合計は28.2m^2であり、25.5%をしめたフタバガキ科、10%をしめたフトモモ科、5%前後を占めたカンラン科、ムクロジ科、トウダイグサ科、ネムノキ科等が優占していた。 2.根系-フタバガキ科の一種Shorea parvifoliaの胸高直径10〜75cmの木について、その根系の半分または4分の1の量を採取した。根系の水平分布は直径10cm程度の木では樹幹から4〜8mの範囲に分布しており、直径20cmでは10m、直径30〜40cmでは15m、直径75cmの木では28mであり、大木では非常に大きいことがわかった。多くの側根は深さ80cmまでに分布しており、主根も直径10cmの木では1mまでであったが、直径75cmの木では深さ4mと大きくなるに連れ深くまで分布していた。根系のバイオマスは3〜620kgと推定され、その約半分が主根および板根によるものであった。側根の全体重量に占める割合は大きくなるにつれて増加すると考えられた。菌根量の推定値は30〜1670gと根量に対して非常に少なかった。また菌根は土壌表層の腐植層に限って分布していた。熱帯では養分循環において落葉の分解が重要と考えられているが、この落葉からの養分吸収について主に菌根が担っていると考えられた。得られた菌根量から林分の菌根バイオマスを推定したところ、温帯や亜寒帯針葉樹林に比べて菌根量は少なく、有機質の少なさと対応しているのかもしれない。熱帯雨林において、特定の樹種の根系の分布やバイオマス、菌根量を初めて詳しく明かにすることができたと言える。
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