研究課題/領域番号 |
17570042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
門田 明雄 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60152758)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 葉緑体運動 / アクチンフィラメント / 光運動反応 / フォトトロピン / シロイヌナズナ / GFP / ヒメツリガネゴケ / 微小管 |
研究概要 |
GFP-talinを発現するシロイヌナズナのアクチンフィラメント可視化株を材料に、フォトトロピン依存の葉緑体光定位運動の運動メカニズムを解析した。蛍光顕微鏡下の観察から、葉緑体表面に特異的な細かいアクチンフィラメントが見出された。青色微光束照射により葉緑体運動を誘導すると、集合反応・逃避反応いずれの場合も葉緑体の運動方向前端にアクチンフィラメントが偏り、この程度が葉緑体の運動速度と強い相関を示した。ミオシン阻害剤の処理によってもこのアクチン局在化は阻害されないが、運動そのものは著しく阻害される。従って、シロイヌナズナの葉緑体光定位運動は細胞質中ではなく葉緑体表面に存在するアクチンの光依存的な局在化およびこれとミオシンとの相互作用によって引き起こされることがわかった。葉緑体光定位運動の光受容体であるフォトトロピン1、2の変異体を用いて、青色微光束照射下での葉緑体特異的アクチンの変化を調べた。フォトトロピン1、2はそれぞれ、集合反応のみ、集合反応と逃避反応の双方を介在することがわかっているが、これらの一重変異体では青色光の光強度にかかわらず、また、誘導される反応が集合反応であるか逃避反応であるかにかかわらず、運動する葉緑体の前端部にアクチンの局在化が生じることがわかった。また、光定位運動がまったく誘導されないフォトトロピン1、2二重変異体では葉緑体上のアクチンは存在するものの、青色光刺激による局在化は起こらないことから、フォトトロピン1、2がともに葉緑体上のアクチン局在化を制御していることが明らかとなった。以上の結果は葉緑体特異的アクチンがフォトトロピン1、2の制御のもとに葉緑体上で局在化することで光定位運動が生じることを示している。
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