研究課題
基盤研究(C)
報告者はシロイヌナズナからブラシノステロイド(BR)生合成における鍵酵素をコードするBR60x1, BR60x2遺伝子をクローニングして機能を証明した。これら2つの遺伝子の発現について詳細に調べるためにシロイヌナズナを用いてBR6ox1:GUS, BR6ox2:GUSの2つのレポーター株を作出し、BR6位酸化酵素遺伝子の発現制御について明所、暗所で発芽させた芽生えを用いて調べた。その結果、環境に応答してBR生合成遺伝子の発現する器官が変化し、それに従って植物個体の形態形成を制御する仕組みが備わっていることが示された。次に、光照射後のBR生合成遺伝子の発現部位、時期をさらに詳細に調べた。その結果、BR合成酵素のうち、活性型BR合成に関わるBR60x1, BR60x2, Dwf4などの酵素をコードする遺伝子の発現が、光照射後に、フックと子葉で強く誘導された。この遺伝子発現誘導は、光照射によるフックの解消や、子葉の拡大、子葉に於ける維管束の発達に先だって起こることが分かった。また、これら3つの植物の応答は、BR生合成の阻害剤Brzで抑えられることを確認しつつある。従って、フックの解消や子葉の発達などの光形態形成の諸過程がBR生合成の活性化を介して制御を受けていることが初めて明らかになってきた。BR感受性は環境要因や器官特異的に異なることが知られているがその制御機構も不明であった。オーキシンのシグナル伝達に関与することが知られている転写調節因子Aux/IAAの変異体を解析した結果、Aux/IAAがブラシノステロイドの器官特異的な感受性を制御していることを解明した。
すべて 2006 2005
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