研究課題/領域番号 |
17570054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 正則 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30257349)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 行動 / 脳 / セロトニン / 昆虫 |
研究概要 |
コオロギを用いて、次の成果をあげた。 1.性成熟過程におけるsexual orientationと脳構造の変化: 1-1.sexual orientationの変化:雄コオロギの雌に対する行動は性成熟過程において攻撃行動から求愛行動に変化していることと、正常なsexual orientationは羽化してから約1週間後に発現開始することを明らかにした。 1-2.脳構造の変化:性成熟過程においてcentral bodyのセロトニンニューロンが増殖している可能性を示唆した。 以上の成果から、正常なsexual orientationの発現をコントロールする脳(おそらくcentral bodyを中心とする)ニューロンネットワークは性成熟過程で完成すると考えた。従来の報告から考えると、このネットワークの形成過程ではニューロンの増殖とともに、アポトーシスが起こっているのかもしれない。 2.aggressive songの意義:2匹のコオロギ雄成体ではdominantとsubordinateの関係を確立し、dominantはsubordinateを繰り返し攻撃することに加えて、aggressive songを発する。この状況において、dominantが発するaggressive songはdominant自身の脳セロトニンレベルの低下を抑える可能性が高いことを示した。これは、aggressive songが同種間でのコミュニケーションの手段として用いられているだけでなく、aggressive songを発している個体自身の脳機能にまで影響を及ぼしていることを意味する。またdominantとsubordinateの関係を維持するうえでaggressive songは必要ではないことを明らかにした。
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