研究課題/領域番号 |
17570060
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・行動
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
保 智己 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 助教授 (60188448)
|
研究分担者 |
三木 健寿 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (80165985)
和田 昌昭 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80192821)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 松果体 / 感色性応答 / 神経節細胞 / 波長識別 / 遊泳行動 / パラピノプシン / 紫外光受容 / 光受容 / ヤツメウナギ / 光受容細胞 |
研究概要 |
魚類、両生類、爬虫類の松果体複合体には光の明暗だけでなく、短波長光と中・長波長光の割合を検出している神経節細胞が存在する。つまり波長識別をおこなっているのである。本研究の目的は眼外光受容器官である松果体の受容した「色」情報が生体においてどのような機能を担っているのかを明らかにすることである。本研究に用いたスナヤツメの近縁種であるカワヤツメにはこれまでの研究から紫外光と可視光を識別する感色性応答が確認され、またその紫外光受容には光再生という興味深い特性を有するパラピノプシンという光感受性蛋白質が関与していることが明らかとなっている。本研究において用いられたスナヤツメの松果体においてもパラピノプシンが存在するのか免疫組織化学的に認められた。さらに電気生理学的手法により、スナヤツメにおいても感色性神経節細胞が存在することが明らかとなった。これらのことからスナヤツメにおいてもカワヤツメ同様にパラピノプシンが関与する波長識別機構が存在することが示唆された。そこで紫外光と可視光の変化が個体にどのような影響を与えるか紫外光(395nm)と緑光(525nm)を照射する実験をおこなった。その結果、紫外光の増加に伴い、動物の遊泳行動の活動量も増えた。さらにこの現象は松果体除去によって消失することが示された。さらに、割合だけでなく、緑色光による明順応状態から紫外光を加えた場合と同じ光強度の緑色光を加えた場合での行動を比較した。その結果、明らかに前者の場合に行動が活発となった。また、行動が誘発される紫外光の閾値についても調べたが、これは個体によって異なった。しかしながら、これまで報告されている一般的な水中での光強度と光受容細胞の感度を考えると通常の河川においても同じような行動の誘発が起っていると考えられた。
|