研究課題
基盤研究(C)
ヌマガエルRana limnocharisはアジア系のカエルの中では最も広く分布する種の一つである。形態的な変異は比較的少ないが、鳴声や遺伝的形質に地域間や地域内での変異が著しく、この種名の下に多数の種が存在すると考えられていた。本研究の目的は、このヌマガエル種群について、1)学名Rana limnocharisが厳密には本種群に含まれるどの種に対応するのか、2)アジア全域では本種群にどの程度の、どのような地理的パタンの遺伝的分化が起っているのか、3)このような集団の遺伝的分化が繁殖隔離機構の形成とどのように対応しているのか、4)本種群をRana属から独立させてFejervarya属にするのは妥当か、を明らかにすることである。本研究では、先ず、アジアの広域に分布するヌマガエル種群について、各地のサンプルを用いた広範な交雑実験を行ない、その結果の解析によって繁殖隔離機構の存在とその程度を明示し、生物学的種の概念に基づいた種の多様性を直接的に示すことができた。繁殖隔離機構から種の多様性を解明しようとする研究は、飼育設備と交雑システムを完備した本両生類研究施設の特技で、世界でも類をみないユニークな成果である。さらに本研究では、DNA解析やアロザイム分析および形態計測により集団間の分化の程度の定量化も行ない、その結果と上記の交雑実験の結果を対比することで、より多角的な視点から本種群の多様性に迫るとともに、これまで渾沌としていた本種群の分類に対し、客観性と信頼性の高い分類体系を確立することができた。本研究は、他の広範な動物群における種の多様性の実態の把握にも大きな貢献をするものと考えられる。
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