研究課題/領域番号 |
17570083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
横田 昌嗣 国立大学法人琉球大学, 理学部, 教授 (90166885)
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研究分担者 |
傅田 哲郎 (傳田 哲郎) 国立大学法人琉球大学, 理学部, 准教授 (50284948)
松村 俊一 琉球大学, 理工学研究科, 研究員 (70398311)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 琉球列島 / 隔離分布 / ソテツ / ヨナグニノシラン / アマミイナモリ / ホシザキシャクジョウ / ヒメスイカズラ / トゲイボタ / 核型 / サツマイナモリ / サツマイナモリ属 / シソクサ属 / ヤブラン属 / ノシラン属 / スイカズラ属 / ヨナクニトキホコリ / ハマボッス |
研究概要 |
琉球列島および九州南部に固有で、隔離分布する遺存種のソテツCycas revolutaには、種子の形態に変異があることが判ったが、個体内では形態は安定しているものの、同一集団内でも個体間で連続的な変異が認められることから、種子の形態に基づいて分類群を認めることは困難であることが判った。東アジアの亜熱帯域に隔離分布し、国内では与那国島にのみ産するヨナグニノシランOphiopogon reversusの核型を調べたところ、与那国島と台湾のものは同一の核型を示し、その一方でヨナグニノシランは近縁なノシランとは異なる核型を持つことが明らかになった。琉球列島の奄美諸島と沖縄諸島に固有のアマミイナモリOphiorrhiza japonica var. amamianaは、サツマイナモリの変種とされていたが、異型花柱性を示さず、四倍体であることで異なり、分子系統学的解析でもサツマイナモリと大きく異なることから、サツマイナモリとは異なる起源を持ち、独立して琉球列島に侵入した遺存種であると推定された。琉球列島および台湾産に隔離分布するチャボイナモリOphiorrhiza pumilaは、サツマイナモリ属の種に広く見られる異型花柱性は発達せず、自家受粉により種子を生産していることが判った。台湾に産するタイヤルソウHayataella michelloidesの分子系統学的な研究を行い、タイヤルソウは台湾固有の単型属ではなく、琉球列島および台湾に産するサツマイナモリ属に含まれることを明らかにした。沖縄島固有のホシザキシャクジョウOxygyne shinzatoiは、単型属とされることもあり、特異な形態的特徴を持つ植物で、基準標本の採集後約30年間全く発見されていなかったが、今回基準産地で再発見し、その核形態学的特徴と分子系統学的位置を明らかにした。琉球列島の一部の島嶼に固有のヒメスイカズラLonicera japonica var. miyagusukianaの外部形態と核型の観察を行い、ヒメスイカズラは基本種のスイカズラと異なる四倍体であることが判り、分子系統学的にもスイカズラとは異なる遺存種であることが示唆された。琉球列島の一部の島嶼に隔離分布する固有種のトゲイボタLigustrum tamakiiの外部形態と染色体数を観察し、外部形態には多少の変異が認められるものの、染色体数は同属のオキナワイボタL. liukiuenseと同じであり、変異がないことが判った。
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