配分額 *注記 |
3,440千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
Fisturaliaのうち、日本,カナダ,台湾,韓国などアジア産の種約25種(標本総数約250点)について,形態,種内化学変異,生態学的特性について検討を行った。種を区分する形態形質のうち地衣体の解剖学的特徴,生殖器官と生殖細胞の特徴,偽盃点の有無と形状,皮層下部に発達するchondroid layerの形状や配置が種分化や系統関係と強く関連していることが明らかになった。また,各種には二種以上の種内化学変異が存在することが普通で,変異の違いには1)付加的,2)置換,3)あるいは1)と2)が同時に生じるものがあることが明らかになり,地域差には関係ないことが明らかになった。 また,新しい資料が得られた日本,韓国,英国,オランダ産のFistulariaのrDNA ITS、SSU領域を用いて系統解析の結果からも他のアジア地域でこれまでに得られている結果と同様にFistulariaはカラタチゴケ属(Ramalina)から独立した分類群として認めることは妥当ではなく,カラタチゴケ属と単系統をなすという結果が示唆された。従って,地衣体に窄孔を持つ特徴は種を区別する有効な形質ではあるが,系統を反映したものではないことが明らかになった。 現在世界から報告されているFisturalia群全てについて分類学的研究を行った結果,現在種として認識できる種数は35種であることが明らかになった。
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