研究課題
基盤研究(C)
真核動物ではほとんどの細胞に「基底膜側」などの方向性、すなわち「極性」がある。この細胞の極性と関与するプロセスとして、細胞運動や、神経細胞での神経突起形成、神経伝達物質の放出等があげられる。細胞外分泌蛋白質Wnt(ウイント)のシグナルは細胞の増殖や分化をはじめ、様々な細胞機能を制御する。しかしながら、Wntシグナルの神経系に対する作用の全貌はいまだに明らかではない。本研究では神経細胞でのDvlの作用に焦点をあて以下の結果を得た。1.Dvl結合蛋白質としてのシナプトタグミンの同定神経系細胞でのDvlの作用を明らかにするために酵母two-hybrid法を用いてDvl-1結合蛋白質を検索した結果、シナプトタグミンXIを見出した。シナプトタグミンファミリーはエクソサイトーシス、エンドサイトーシスなど小胞輸送に関与した蛋白質ファミリーである。COS細胞中でDvlはシナプトタグミンIやシナプトタグミンXIと複合体を形成した。シナプトタグミンIは、神経伝達物質のエクソサイトーシスやシナプス小胞のエンドサイトーシスに必須の蛋白質である。そこで、Dvlとシナプトタグミンの結合様式を解析した。2.Dvlによる神経伝達物質放出制御ラットPC12細胞においてRNAi法によりDvl遺伝子をノックダウンすると脱分極刺激による神経伝達物質(ドパミン)の放出(エクソサイトーシス)とその後のシナプス小胞のリサイクリングが抑制された。DvlはシナプトタグミンIを介してμ2アダプチンとも複合体を形成した。したがって、Dvlは神経細胞において、シナプトタグミン1やμ2アダプチンと複合体を形成することにより、神経伝達物質を含むシナプス小胞のエクソサイトーシスやエンドサイトーシスを制御する事が示唆された。
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