研究課題/領域番号 |
17570123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中村 寛夫 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 先任研究員 (80270594)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヘム / リン酸化酵素 / センサー / 膜タンパク質 / 病原菌 / 鉄 / ヒスチジンキナーゼ / 二成分情報伝達系 / ジフテリア菌 / 根粒菌 / 酸素 / 感染 |
研究概要 |
生物は鉄を必須の金属元素として細胞内呼吸の電子伝達や酸素運搬に利用しているため、環境から摂取しなけらばならない。病原菌にとって主要な鉄源は感染宿主の血液ヘモグロビンであり、ヘモグロビン由来の鉄はヘム鉄や非ヘム鉄として菌体内に取り込まれる。病原菌細胞内に取り込まれたヘムは直接ヘムとして利用されるほか、ヘムオキシゲナーゼによって分解を受け、遊離した鉄が非ヘム鉄として、また、ポルフィリンに取り込まれ、再びヘムとして機能する。 ジフテリア菌のchrS、chrAは遺伝学的に発見されたヘム応答系遺伝子であり、環境のヘム濃度に応じてヘムオキシゲナーゼ遺伝子(hmuO)の発現を誘導する。その塩基配列からバクテリアや菌類、植物に普遍的に見られる二成分情報伝達系であることが推定されているが、タンパク質レベルでの研究は皆無である。そこで、chrS遺伝子を大腸菌に導入し、ChrSタンパク質を大腸菌細胞膜で発現させた。このタンパク質を含む細胞膜ではヘム依存的にChrSタンパク質の自己リン酸化が認められた。一方、他のヘム類似体ではリン酸化の亢進は見られなかったことからヘム特異的センサーとして機能していることをタンパク質レベルで始めて実証した。また、遺伝子配列の解析から4-5回膜貫通型であると予測されたが、lacZ、phoA遺伝子融合実験により、膜貫通領域を6個持つことが判明した。さらに、膜貫通領域の変異体解析から第一膜貫通領域の21番目のヒスチジンがヘム依存的リン酸化の制御に必須であることを発見した。
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