配分額 *注記 |
3,830千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本研究の目標は,Fプラスミドや大腸菌染色体の分配の分子機構を明らかにすることである.先ず初めに種々の細胞学的技術を駆使して大腸菌の姉妹染色体を解析して,複製起点・複製終点・複製フォーク・MukBクラスター等の細胞周期における細胞内の規則正しい挙動を明らかにした.さらに,Fプラスミドの分配機構を免疫抗体法やFISH法で詳しく解析した実験結果に基づき,この分配機構はプラスミドにコードされたSopAとSopBタンパク質による"反応拡散系"であるという新説を提唱した.SopAは"アクチベーター"で,SopBは"インヒビター"であると考えられる.この反応拡散系では,SopAとSopBが互いに反応拡散する結果,SopBの細胞内局在化が起る.プラスミドのsopC領域がSopBに結合し,プラスミドDNA分子はそれぞれSopB濃度の高い複数の位置に局在することになる.一方,大腸菌の染色体分配は,SecA・SecY・AcpP・MukBなど少なくとも10種のタンパク質を含む"反応拡散系"であることを発見し,この系を"POC(positioning of chromosome)システム"と命名した。この系では,SecAが"アクチベーター"であり,SocYが"インヒビター"であると考えられる.POCシステムの"反応拡散系"では,これらのタンパク質が互いに反応拡散する結果,細胞内に局在し,それらのタンパク質と特異的に結合するDNA領域がタンパク質の濃度の高いところに位置することとなる.それによって細胞内のDNAの位置が決まり,細胞分裂に際し姉妹DNAは両娘細胞に規則正しく分配される.
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