研究課題/領域番号 |
17570152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 一正 東北大学, 大学院生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アクチン骨格 / コフィリン / LIMキナーゼ / Slingshot / GFP / リン酸化 / 阻害剤 / イメージング / ダイナミクス |
研究概要 |
アクチン線維の切断・脱重合因子であるコフィリンは、アクチン骨格の再構築を司る最も重要な制御因子の一つであり、LIMキナーゼとSlingshotによるリン酸化・脱リン酸化によって活性が制御されている。本研究は、細胞運動時のアクチン骨格の再構築に対するコフィリンの役割を明らかにすることを目的として、コフィリンとアクチンの結合状態を生細胞内で可視化するプローブの作製を行った。これまでに分割したGFPをコフィリンとアクチンに各々付加し、コフィリンのアクチンに対する結合活性依存的にGFPが再構成され蛍光を発色するプローブを作製していた。さらに改良の結果、コフィリンの活性依存的に10倍以上の蛍光輝度の差を持つプローブを作製することが出来た。このプローブを昆虫細胞に発現させて大量精製し、LIMキナーゼとSlingshotの活性をGFPの発色を指標としてin vitroで高感度に測定する方法を作製し、LIMキナーゼとSlingshotの阻害剤のハイスループットスクリーニング法を確立した。これを用いて、既存のキナーゼ阻害剤や化合物を数百種類用いてLIMキナーゼとSlingshotの阻害剤のスクリーニングを行った。その結果、細胞内チロシンキナーゼであるSrcファミリーに対する特定の2種類の阻害剤がLIMキナーゼに対しても作用することを発見した。これらの阻害剤が、LIMキナーゼの過剰発現による細胞内のアクチン過重合を解除すること確認した。また、その一つはLIMキナーゼに作用する濃度で細胞運動や神経突起伸展に阻害効果を示すことが報告されている。この阻害剤を用いることで、アクチン骨格再構築におけるコフィリンのリン酸化の役割が詳細に解析できると考えている。さらに、これらの阻害剤の誘導体の中でLIMキナーゼに特異性の高いものを探索し、癌転移や炎症の抑制剤のシーズとなる化合物の発見を進めている。
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