研究課題
基盤研究(C)
これまで30年以上にわたるアフリカ各地域における野生チンパンジーの研究から、チンパンジーの行動レパートリーには地域によって変異があることがあり、これらの行動の地域変異が世代を超えて伝承されていく、つまり文化が存在することが示唆されてきた。本研究は、これまで研究代表者が研究を行ってきたウガンダ共和国カリンズ森林保護区の野生チンパンジー1集団、コンゴ民主共和国ワンバ地区の野生ボノボ1集団について、行動レパートリーを比較することによって、文化的行動の候補を特定し、それぞれの種における文化的行動の進化を明らかにすることを目的とする。ボノボ、チンパンジーについて、これまで集めた行動学的データを整理し、エソグラムのデータベースを作成した。調査対象のチンパンジー集団は、ここ10年あまりで調査が開始された集団であるが、この集団においても、Antdippingや蜂蜜とりなどの道具使用行動があることが明らかになった。さらに、両者の性行動のパターンについて比較を行い、ボノボでは、メスが交尾を含む社会交渉に関して受動的であるのに対して、チンパンジーではメスが積極的に交尾を含む交渉を開始したり、オスの誘いかけにも積極的に反応することが明らかになった。この結果は、Primates誌に発表した。また、2007年6月にウガンダで開かれた国際霊長類学会に参加し、研究成果を発表した。さらに、チンパンジー、ボノボとも、他の地域で研究を行っている研究者と協力して、複数地域・複数集団を含むそれぞれの種全体をカバーするエソグラム作りにも参加した。現在この結果を用いて、論文を作成中である。
すべて 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (18件)
Primates 48・3
ページ: 249-251
科学 77・6
ページ: 637-641
Pan Africa News 14・1
ページ: 8-11
120003238866
京都大学霊長類研究所編, 霊長類進化の科学, 京都大学出版会
ページ: 156-167
Primates 47・1
ページ: 51-55
10016963404
Newton-Fisher, N.E., Notman, N., Reynolds, V, (eds.}, Primates of Eastern Uganda, Spirnger 2006
ページ: 247-257
Molecular Ecology 15・4
ページ: 939-949
村山美穂, 渡邊邦夫, 竹中蒐子編「遺伝子の窓から見た動物たち-フィールドと実験室をつないで-」, 京都大学出版会, 京都
ページ: 121-130
Primates 47(1)
Newton-Fisher, N. E., Notman, N., Reynolds, V., Paterson, J.(eds.), Primates of Eastern Uganda, Spirnger
Molecular Ecology 15(4)
Primates of Eastern Uganda (Newton-Fisher, N. E., Notman, N., Reynolds, V., Paterson, J. (eds.)) (Spirnger)
Pan Africa News 12・1
ページ: 3-5
120003238848
Pan Africa News 12(1)(set of books)
Primates 48(3)
Pan Africa News 14(1)