研究課題
基盤研究(C)
アーバスキュラー菌根(AM)菌の外生菌糸の浸出物を採取し、外生菌糸が分泌する酸性ホスファターゼについて検討した。<方法>プラスチック製500mlポットをナイロンネット(孔径30μm)で根区画と菌糸区画に仕切り、各区画にセラミック製土壌溶液採取管(直径2mm、長さ50mm)を埋設し、滅菌黒ボク土を詰め、タマネギ(Allium cepa)を播種した。AM菌Glomus clarum接種区と、対照として非接種区を設置し、人工気象器で成育させた。各区画から土壌溶液を採取し、これらを根および菌糸の浸出物とした。これらの浸出物の酸性ホスファターゼ活性、菌根形成率、地上部乾物重および地上部リン含有率を測定した。各処理区の浸出物のと根の抽出物をSDS-PAGE後、Fast Blue RRで活性染色した。<結果>AM菌接種によりタマネギは65%以上の菌根形成率を示し、地上部リン吸収と地上部成育が促進された。播種後56日目の根および菌糸の浸出物中の酸性ホスファターゼ活性はAM菌接種区で非接種区より高かった。SDS-PAGE後の活性染色ではG.clarum接種区の菌糸の浸出物から菌根特異的なバンドが検出された。また外生菌糸の抽出物からも酸性ホスファターゼ活性が検出され、この分子量は浸出物中の酸性ホスファターゼより大きく、根のタマネギ根の抽出物の酸性ホスファターゼに近かった。これらのことからAM菌の菌糸は酸性ホスファターゼを浸出して有機態態リン酸を可給化し、またそれは外生菌糸に由来することが示された。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (9件)
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Journal of Plant Nutrition (in press)