研究課題/領域番号 |
17580071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
吉川 博文 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50175676)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | DNA複製 / DNAポリメラーゼI / 岡崎フラグメント / リボヌクレアーゼH / 必須パラログ / 合成致死 / 枯草菌 / 分子遺伝学 |
研究概要 |
枯草菌においてDNAポリメラーゼIをコードするPolAは、そのパラログであるypeP(5'→3'エキソヌクレアーゼホモログ)との組み合わせで合成致死になることを明らかにした。また、大腸菌においてもypcPオルソログであるxniが存在し、polAとの合成致死を示した。DNAポリメラーゼIは複製時に岡崎フラグメントのプライマーRNA除去という重要な機能を持っているにもかかわらず、大腸菌において欠損できることから何らかの代替機能が示唆されてきたが、この必須機能パラログの発見によりこの二者が持つ5'→3'エキソヌクレアーゼ活性が必須機能であると分かった。さらに、ypcPホモログを持たないシアノバクテリアではpolAが破壊できない必須遺伝子であることも確認し、生物全体で共通の必須機能であることを示唆した。ゲノム配列の報告されている250種の細菌において、古細菌以外はすべてこの5'→3'エキソヌクレアーゼを何らかの形で持つこと、また古細菌では真核生物型のFEN酵素を持つことを明らかにした。 一方、RNaseHもプライマーRNA除去に関わることが知られている。枯草菌ゲノムにはRNaseHをコードすると考えられる遺伝子が4種類見出されている。しかし、活性が確認されているのは2種類のみであり、その二重破壊は合成致死であるという報告があったが、本研究において温度感受性やフィラメント状の表現型を示すものの必須ではないことを明らかにした。さらにRNaseHの四重破壊株、polAを含む五重破壊株が得られたことから、RNaseHは最終的に非必須機能であると確認できた。そして、フィラメント状の表現型はSOS応答時に発現するyneAの構成的発現によることを証明した。また、フィラメント状の表現型を示すRNaseHの三重破壊株にPo1A、YpcP、新規RNaseHIホモログのYpePのいずれを過剰発現させてもフィラメント状の回復が見られた。以上のことから、YpePが新規RNaseHであること、PolAとYpcPの持つ5'→3'エキソヌクレアーゼ活性はRNaseH機能を部分的に相補できることが示唆された。
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