研究課題
基盤研究(C)
TAFIの生理機能を解明する目的で、TAFIの標的となる肝細胞表面のplasmin局在について検討を行った。初めに肝再生過程におけるplasminを中心とした線溶系因子の局在およびその機能について検討した。ラットに70%部分肝切除を施し、術後の線溶系因子の局在を検討したところ、plasmin活性が術後24〜48時間後の細胞膜画分で増加することが確認されたことから、plasminogenが細胞膜に局在することにより効率のよい活性化、活性維持に影響することが考えられた。さらにトラネキサム酸(TxA)を投与したplasminogen阻害モデルを作製し、肝再生に及ぼす影響について検討した、TxA投与により部分肝切除後の肝再生は遅延した。さらにTxA投与により細胞膜画分におけるplasmin活性やuPA活生の抑制のみならず、細胞外マトリックス分解酵素であるMMP-2,MMP-9、などの活性抑制も確認された。組織化学的検討によりTxA投与群の肝組織では繊維化傾向が認められた。これらのことから細胞膜Plasmin活性はuPAやMMPの活生制御により、肝再生に関与することが示唆された。このような細胞膜へのplasmin局在にTAFIが関与するかsiRNAを用いて、in vitroで検討した。TAFI特異的siRNによりTAFI発現を抑制した肝細胞においては、細胞膜plasmin活性の増加が確認され、さらに肝細胞増殖が促進した。同様の結果は肝がん細胞株であるHepG2でも認められた。これらの結果からTAFIはplasminの局在調節を介して細胞増殖に寄与することが考えらえた。これらの結果から肝再生過程における増殖因子によるTAFIの発現抑制は、plasminの局在調節を介して肝再生に促進的に機能することが考えられた。本研究によりTAFIの細胞線溶における役割をはじめて明らかにできた。
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