研究課題/領域番号 |
17580103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 英世 山形大学, 農学部, 助教授 (60235380)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | シスチン / グルタミン酸 / トランスポーター / グルタチオン / アミノ酸 / レドックス / ポリフェノール / フラボノイド |
研究概要 |
シスチントランスポーター(xCT)は、哺乳類細胞形質膜上に発現するアミノ酸トランスポーターの一種であり、細胞内のグルタミン酸との交換により細胞外のシスチンを細胞内に輸送する機能を有する。このトランスポーターが誘導されることにより、細胞内グルタチオンレベルが上昇し、これによって、活性酸素などの酸化ストレスに対する防御能が高まると考えられる。これまでに、xCTの活性は、親電子性試薬、活性酸素、細菌性リポ多糖など、種々の刺激により強く転写誘導されることが明らかとなったが、食品由来の成分にこのトランスポーター活性を制御するものがあるか知られていない。本研究は、食品由来ポリフェノールに注目し、xCT活性に影響を与えるものがあるか調べ、また、その制御機構を明らかにすることを目的として行われた。マウス膵臓β細胞由来βTC3細胞を用いて解析したところ、フラボノールの一種であるケルセチンが、主要な内在性抗酸化物質であるグルタチオンの細胞内レベルを上昇させることが明らかとなった。また、ラムネチン、イソラムネチン、ルテオリン、フィセチンを添加すると同様にβTC3細胞のグルタチオンレベルが有意に上昇することがわかった。さらに、これらのフラボノイドの添加によってxCTが誘導されることが示された。一方、ケンフェロール、ミリセチン、ケルセタゲチン、イソケルシトリン、モリン、アピゲニン、タキシホリンの添加では、グルタチオンの有意な上昇は認められなかった。また、シスチンの取り込み活性も上昇しなかった。以上の結果から、フラボノイドには、xCT遺伝子の発現を制御することにより細胞内グルタチオンレベルを調節する機能のあることが明らかとなった。また、この機能を持つフラボノイドは、共通の構造としてC環の4位のカルボニル基と共役した2,3-二重結合と、B環のカテコール構造または、それと類似の構造を持つことが重要であることが推定された。
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