研究課題/領域番号 |
17580151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
後藤 晃 北海道大学, 北方生物圈フィールド科学センター, 助教授 (30111165)
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研究分担者 |
酒井 治己 水産大学校, 生物生産学科, 教授 (80399659)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 淡水二枚貝 / 宿主-寄生関係 / 集団構造 / 生息場所選好性 / 遺伝的保全単位 / 保全施策 / カワシンジュガイ / 遺伝的多様性 / 生態的多様性 / 生活史特性 / 好適生息環境 / 種判別法 |
研究概要 |
本研究は、希少種カワシンジュガイの保護・保全を図るための生物学的知見を得るとともに、その保全施策を確立するために、本種の地域個体群の遺伝的多様性、本種の河川個体群の生息に好適な物理的環境要因、本種幼生のサケ科魚類への寄生成功度を明らかにすることを主要な目的として調査を行い、以下の貴重な研究成果を得た。 1.遺伝的に高度に分化し、同所的生息地で生殖的隔離が認めらた2グループ(ブループA、グループB)の遺伝的多様性については、グループAではいずれの河川集団もほぼ同等の変異性を示した。グループBではすべての集団で全く遺伝的変異性が認められなかった。 2.遺伝子マーカーを用いて魚類の鯉に寄生していた幼生の種判別を行った結果、グループAはサクラマスと、グループBはアメマス・オショロコマと特異的な宿主-寄生関係を示した。 3.カワシンジュガイ2グループの河川における生息条件として、流速と底質が重要な規制要因であることが明らかになった。いずれの生息河川でも殼長2cm未満の小型個体の生息が認められなかったことから、最近の十数年間においてカワシンジュガイ2グループは健全な再生産が行われていないと示唆された。 4.これら2グループの健全な個体群を保全。再生させるには、稚貝のリクルートにとって重要な宿主-寄生関係の健全さを回復させると共に、稚貝の河床への着底条件としての河川の物理的。生物的環境要素を河川環境に復元させる施策が必要である。
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