研究課題/領域番号 |
17580173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 名古屋大学 (2007) 創価大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
龍 籍耀 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 特任准教授 (50386752)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,910千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 窒素源 / 栄養状態 / 取り込み速度 / 安定同位体 / 窒素供給のされ方 / 毒性 |
研究概要 |
有害な植物プランクトンの大増殖は食品衛生や産業上、世界中で大きな問題となっている。また、Alexandrium種の増殖は高濃度の窒素にも関連している。近年、窒素などの富栄養化が進んできた。このことが部分的に植物プランクトンの大増殖を引き起こす原因になると考えられている。植物プランクトンの大増殖の形成種が利用できる窒素源は主に硝酸、アンモニアと尿素である。その上、窒素源の供給のされ方も異なり、その供給のされ方には、一定の濃度のcontinuous supplyと急激に濃度が変わるpulsed supplyがある。植物プランクトンの大増殖形成種の発生や大増殖の規模を解明するには、窒素源の供給され方によるものだけではなく、数種の窒素源が混在する混合窒素源の供給も考慮しなければならない。そこで本研究では安定同位体元素13Cと15Nを用いて、有毒な渦鞭毛藻A.tamarenseの栄養塩の取り込みや生理特性に対する異なる窒素源の供給のされ方と混合窒素の影響を定量的に明らかにすることを目的とした。細胞の炭素の取り込み速度は異なる窒素源やその供給のされ方によって異なる傾向を示した。植物プランクトンの窒素の取り込み速度は異なる窒素源やその供給のされ方により、反対の傾向を示した。このことは異なる窒素源における代謝経路や窒素同化が異なるのではないかと考えられる。A. tamarenseは供給され方に関係なく、硝酸、アンモニアと尿素を簡単に取り込めた。また、A. tamarenseは窒素源が変わっても取り込む能力があることを示した。混合窒素源の時も二つの窒素源を取り込むことを証明した。細胞の栄養塩の取り込みから細胞あたりの取り込み速度を求め、異なる窒素源の供給とその供給のされ方による栄養塩の要求と細胞の栄養状態を明らかにした。ゆえに、沿岸域の窒素の供給され方というのは有毒な植物プランクトンの取り込みを調節する重要な役割を持ち、有毒な植物プランクトンの大増殖を寄与する。
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