研究課題/領域番号 |
17580234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
板橋 久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00280991)
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研究分担者 |
黒川 勇三 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00234592)
田島 清 畜産草地研究所, 家畜生理栄養部, 主任研究官 (80343953)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ルーメン / 繊維消化 / プロバイオテックス / メタン / 揮発性脂肪酸 / ルーメンプロトゾア / ルーメン細菌 / セロビオース / ウシ / プロトゾア / プロピオン酸 |
研究概要 |
温室効果ガスであるメタンの牛ルーメンからの発生の抑制と繊維の消化促進のために、各種の添加物を利用することを検討した。初めに、培養実験により効果を検討した結果、フマル酸、サポニン類、植物抽出物(ワサビ油、ユーカリ油など)は培地への微量添加でメタンを10-60%抑制することが明らかとなった。ワサビ油添加などでは水素の発生が高まったが、これにフマル酸を同時添加するとその発生は低下した。また、プロバイオテックス(Saccharomyces cerevisiae)やセロビオースを添加すると、繊維分解菌が増加し、繊維の消化は約10%向上することを初めて明らかにした。 さらにルーメンプロトゾアが存在および不在の子牛を用いて、メタン生成と繊維消化に関係するプロトゾアがメタン菌と主要な繊維分解菌に及ぼす影響を分子生物学的手法により検討した。その結果、メタン菌ではいずれの牛でもMethanobacterialesが優勢であること、および、プロトゾア不在牛のみから検出されるクローンがあることが明らかとなった。繊維分解菌のなかでRuminococcus albusとR.flavofaciensはプロトゾア不在牛の方が存在牛よりも16SrRNA遺伝子コピー数は高かったが、Fibrobacter sccinogenesは存在牛の方が高く、プロトゾアは細菌全体の繊維分解活性を大きく低下させずに自らの繊維分解能とともにルーメンでの繊維分解を高めることが明らかとなった。 以上のように、フマル酸、サポニン類、ハーブ類を組み合わせて飼料に添加すると、繊維の消化とプロトゾア数を低下させず、また水素発生を増加させることなく、メタン発生を低減できることが明らかになった。さらにセロビオースやプロバイオテックスの飼料添加で、繊維の消化を向上できることが明らかとなり、これらの利用による牛の飼料利用性の向上が期待される。
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