研究課題/領域番号 |
17580249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 独立行政法人農業技術研究機構 |
研究代表者 |
勝俣 昌也 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・分子栄養研究チーム, 上席研究員 (60355683)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 筋肉内脂肪 / ブタ / リジン / 脂肪生成 / 脂肪細胞 / 豚 / 筋肉 / 脂肪交雑 / アミノ酸 / 畜産学 / 栄養学 / 生化学 |
研究概要 |
近年、筋肉内脂肪がある程度含まれた高品質豚肉の需要が高まりをみせ、国内でも、育種改良や栄養制御による取り組みがなされている。このような時代の要請を受け、ブタの筋肉内脂肪含量を栄養によって制御する研究に、我々は取り組んだ。そして、リジン含量の低い飼料を肥育後期豚に給与すると、胸最長筋の脂肪含量が最大10%程度まで高くなり、脂肪交雑を形成できることを見出した(Katsumata、 et. al.2005)。一方、ブタにおいて筋肉内脂肪が高くなるメカニズムについては、ほとんど情報がなかった。このような背景から、リジン含量の低い飼料を豚に給与したときに筋肉で脂肪交雑が形成されるメカニズムを、分子生物学的・組織化学的手法を用いて解明しようとしたのが、本研究である。本研究は、以下の2つの実験から成り立っている。(1)リジン含量の低い飼料(以下、低リジン飼料)をブタに給与し、筋肉におけるadipogenesis関連遺伝子発現に及ぼす影響を検討する実験、(2)培養脂肪細胞を用い、培地中のリジン濃度の違いが、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化に及ぼす影響を検討する実験、である。これらの実験を通し、「1あるいは3週間という短期間低リジン飼料を子豚に給与すると、筋肉におけるPPARγやSREBP1cなどのadipogenesis関連遺伝子発現量が高くなり、菱形筋では低リジン飼料に反応して脂肪蓄積が促進された」、「低リジン飼料給与により筋肉内に脂肪を蓄積する反応は、筋肉によって差があり、I型(あるいは酸化型)筋線維の割合が高い筋肉のほうが、反応が大きい」、「培地中のリジン濃度を下げると、培養脂肪細胞の分化は抑制され、脂肪細胞分化を調節する転写因子の発現も低くなった」という結果が得られた。これらのことから、低リジン飼料給与による筋肉内脂肪蓄積には、筋肉におけるadipogenesis関連遺伝子の発現が関与しているが、脂肪細胞へ供給されるリジンの量の低下が、直接の原因となって筋肉内脂肪蓄積が促進される可能性は低いと結論した。
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