配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
本研究は,ミエリン再生メカニズムを明らかにする目的で,ミエリン異常ミュータントラットに対して,鼻粘膜由来の神経幹細胞を移植し,移植細胞の分化,分化因子の発現パターン,各種サイトカインの発現パターンを明らかにするとともに,ミエリン異常ミュータントラットにおけるグリア細胞動態,ミエリン関連遺伝子・蛋白の発現動態,各種サイトカインのミエリン病変発現への役割を解析した. PLPおよびPDGF-αRに対するプローブを用いたin situ hybridisation法を行った。mvおよび対照ラット間において,オリゴデンドロサイトおよびその前駆細胞数に明らかな差異は認められず,mvラットのミエリン病変は,ミエリン形成細胞の直接的障害ではない可能性が示唆された. mvラットの脊髄におけるミクログリア関連因子の発現動態を調べた.4,6週齢のmvラットにおいて,TGF-β1mRNA発現量の増加傾向が認められ,アストロサイト・ミクログリアの活性化と関連する変化と考えられた.6,10週齢のmvラットにおいて,iNOSのmRNAおよび蛋白の発現量が上昇した.iNOS発現の上昇は,活性化ミクログリアの出現時期と一致することから,ミクログリアの活性化と関連する変化と考えられた. mvラットにおけるミエリン関連遺伝子および蛋白の発現動態を調べた.PLP mRNAおよび蛋白の発現量は,4週齢から有意に低下した.MBP mRNA発現量は4,6週齢で低下傾向を示し,MBP蛋白発現量は10週齢で有意に低下した.CNP mRNA発現量は4,6週で低下傾向にあり,CNP蛋白発現量は4週齢で有意に低下した.ミエリン遺伝子および蛋白の発現量の低下は,mvラットにおけるオリゴデンドロサイトの機能異常を示唆し,発症メカニズムとして重要と考えられた. 末梢神経再生における鼻粘膜由来の神経幹細胞の有用性を検討する目的で,ラットの坐骨神経切断モデルを作製し,ラットの鼻粘膜より分離した神経幹細胞を投与した.神経幹細胞移植群では,対照群に比べてより高頻度に神経再生が認められた.
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