研究課題/領域番号 |
17580275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 東京農業大学 (2006) 北海道大学 (2005) |
研究代表者 |
丹羽 光一 (2006) 東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (20301012)
浅沼 武敏 (2005) 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40332473)
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研究分担者 |
平岡 和佳子 明治大学, 理工学部, 助教授 (00212168)
浅沼 武敏 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40332473)
北村 直樹 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80301951)
丹羽 光一 東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (20301012)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | fMRI / BOLD / 神経因性疼痛 / 前帯状 / 第一体性感覚野 / ラット / 脳 / 痛覚 / ホルマリン / 前帯状皮質 / モルヒネ |
研究概要 |
近年、ヒトにおける痛み応答に関与する部位には、PETとfMRIによる研究から、第二体性感覚野、島皮質、anteriorcingulatedcortex(ACC:前帯状皮質)、反対側の第一体性感覚野および視床部が関与する事が知られるようになった。興味あることに、allodyniaなどの異常な痛みに対してACC領域以外の領域では血流量やfMRI-BOLD信号が上昇するのに対してACC領域では血流量やBOLD信号が低下することがある。さらに、ACC領域では痛みの強さや場所に関連した血流量の変化は起こらず、痛みによる不快感や嫌悪感などの「感情」に関する応答が起こる事が知られている。本研究では、研究代表者らが確立したラット脳痛み評価法を用いて、ヒトACCに該当するラット脳cingulatecortex(CG)領域におけるホルマリン刺激に対する痛みに対する評価を刺激後24分間と比較的長く観察することにした。ホルマリン刺激を行った全ての個体において、第一体性感覚野領域のBOLD信号は、刺激直後から2分間の間にピークを迎えていた。その後、観察された24分後までBOLD信号は低下することなく4-5%程度のBOLD信号の増加を示していた。興味あることに、CG領域での時間変化は実験群の半数以上において、ホルマリン刺激後1分半程度にピークを示し、9%程度の信号上昇が観察され、刺激後7分から8分にかけて信号が低下し2%以下に一度低下した。その後、BOLD信号は上昇し刺激後14分まで続き、刺激後16分から再度信号は上昇し、観察時間の24分まで4%以上の信号上昇が観察された。第一体性感覚野領域でのBOLD信号は刺激後直ぐにピークを迎え、BOLD信号に観察された24分間に大きな変化がないことから、ヒトの脳ACC領域に対応するラット脳CG領域は痛みの表現型そのものと考えることができる。第一体性感覚野などの体性感覚野領域は痛みの場所を特定し、ACCやCG領域では痛みに起因する感情的評価、つまり不快感や嫌悪感などの感情を表現していると考えることができる。事実、無麻酔下でホルマリン刺激に対する応答が完全に消失するが、fMRI実験においても第一体性感覚野においてわずかに反応が見られてもCG領域ではモルヒネの効果が無くなったと考えられる15分頃から2%以上のBOLD信号の上昇が確認されるまで、刺激後に特に応答が観察されないことからも推察でき。モルヒネ投与下でのホルマリン刺激において第一体性感覚野領域で刺激後5分までに僅かな反応が観察されたことは、第一体性感覚野領域では痛みの不快感よりも刺激の場所認識を行っていると想像される。第一体性感覚野領域のみのBOLD-fMRI法は正しく動物の痛みを表現していないのかもしれない。今回実験を行った群において、CG領域で特異な反応が観察された。ホルマリン刺激後、2分程度まではCG領域において信号変化は観察されなかったが、刺激2分後からBOLD信号は低下し初め、16分後には一度信号低下は戻ろうとするが、観察された24分後までcG領域のBOLD信号は低下し続けた。神経活動の上昇とBOLD-fMRI信号の上昇は等しいと考えられているが、現在までのところ、必ずしも等しいとは考えられていない。神経活動の増加により、局所的な酸素消費量の増加がおこり、デオキシヘモグロビン量がオキシヘモグロビン量を凌駕する。もし、血流量が一定な場合、神経活動の活発化の影響でMRI信号は低下することは十分に予想できる。しかしながら、多くのfMRI研究においては、神経活動の増加により局所の血流量が増加するため、神経活動によって発生したデオキシヘモグロビン量を上回るオキシヘモグロビン量が十二分に供給されるため、MRI信号は増加する。炎症性疼痛の後期における痛みはCG領域で強く起こっていることを示している。ラット脳におけるCG領域を評価する系の確立は、「痛み」に対する理解を深める事が期待出来る。
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