研究課題/領域番号 |
17580291
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境農学
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鈴木 智順 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50256666)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ゼロエミッション / 浄化槽 / 細菌群集構造 / 細菌叢 / PCR-DGGE / 16S rRNA遺伝子 / 人工汚水 / 担体 |
研究概要 |
16年度までの研究では、実稼働トイレから実汚水を採取して実験室レベルの浄化槽に投入していた。実汚水は日々成分が異なり、BODにぱらつきが生じていた。そこで17年度は、ペプトン、酵母エキス、セルロース、NaClを成分とする人工汚水を用いた。また、浄化槽内に充填する担体として、これまでの木材チップの他にスポンジキューブを用いた。その結果、BOD除去率は木材チップで83%、スポンジキューブで67%と、木材チップの方が高かったが、木材チップも分解を受けて何度か補充する必要があった。また、スポンジキューブ槽ではしばしば流下方向の変化が観察された。このことで細菌が十分に繁殖できず、充分なBOD除去ができなかったと考えられた。そこで、18年度は劣化のほとんど無いスポンジキューブを用い、担体槽の構造を改良して、浄化槽内の細菌叢解析を行った。 改良型担体槽は担体槽の最下部から逆U字型の排水管を接続し、その排水管の最高位を担体層の半分の高さに設定した。これにより、排水管の最高位を境に担体層の下部は常に液体で満たされた嫌気層となり、上部は水位の及ばない好気層となった。その際、サイフォンの原理が働かないように、U宇管の頂点に小穴を開けた。本装置でのBOD除去率は概ね90%を超え、17年度までの装置よりも効果的にBODを除去することが可能になった。 PCR-DGGE解析およびBODの経日測定の結果、好気層ではphylum Bacteroidetesに含まれる細菌が常に優占種で、これら細菌がBOD除去の主要な役割を担うと考えた。嫌気層では、phylum Bacterioidetesの他にclass BetaproteobacteriaもBOD除去に関わると考えられた。 今後は本研究により示唆されたBOD除去に関わる細菌の量的な変化を解析するためにFISH法や定量的PCRを行う予定である。
|