配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
平成17年度には,マウンテンシダー花粉アレルゲンであるJun a 1及び日本スギ花粉アレルゲンCry j 1を花粉より精製後,それらに結合するアレルゲン性糖鎖の化学構造を決定した。その結果,これら2種のヒノキ花粉アレルゲンには,ルイスaエピトープ(Galβ1-3(Fucα1-4)GlcNAc)を含有する植物複合型糖鎖が結合することが明らかとなった。これら2種の代表的花粉アレルゲンにルイスaエピトープ(Lewis a)が存在することから,このエピトープ存在が花粉症発症を誘発させる可能性が考えられた。次いで,分子モデリングプログラムを用いて,抗原性糖鎖(Man3XyllFuclGlcNAc2)と抗原性糖鎖含有ペプチドの立体構造を解析した。その結果,糖鎖のみの立体構造と糖鎖がペプチドに結合した場合では,抗原性に関与するβ1-2キシロース残基及びα1-3フコース残基の立体的な配向が異なることが示唆され,遊離糖鎖とペプチドに結合した場合では,免疫活性にも達いがある可能性が考えられた。 平成18年度においては,抗原性糖鎖を多価数有するバイオポリマー(親水性ポリマー及びリポソーム)を調製するために,抗原性糖鎖のみを有する糖ペプチド(Man3XyllFuc1GlcNAc2-Asn)の大量調製の確立を行った。ポリグルタミン酸と糖ペプチドとのカップリング反応について検討を加えた結果,還元アミノ化方に比べると比較的高収量でコンジュゲートを作成する条件が明らかになった。更に,平成18年度はローヤルゼリー中に腫瘍抗原(T-抗原)を含む新たな抗原性糖鎖を見いだし,その化学構造を決定した。 平成19年度には,ヒノキ花粉から陰イオン交換,陽イオン交換クロマト及びゲルろ過により,花粉アレルゲン(Cha o l)を精製したのち,結合する抗原性糖鎖の化学構造を明らかにした。その結果,Cha o lに結合する抗原性糖鎖は,ヒノキ花粉アレルゲン(Cry j l)同様GlcNAc2Man3XyllFuclGlcNAc2のバイアンテナ型複合糖鎖が主要構造(89%)を占めていた。
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