研究概要 |
ジアジケトン類の新規触媒的イリド形成-転位反応の開発とその応用:抗腫瘍活性(-)-laulimalideのC5-C9ピラン環の立体選択的合成 (5S,7R)-5-アリルオキシ-1-ジアゾ-8-(p-メトキシベンジルオキシ)-7-メチル-2-オクタノンを触媒量のCu(tfacac)_2をTEF-CH_2Cl_2(4:1)混合溶媒中環流すると,高収率(82%),高立体選択的(97:3)に(2R,65)-2-アリル-6[(2R)-3-(p-メトキシベンジルオキシ)-2-メチルプロピル]-3-ジヒドロピラノンが得られた。このものを抗腫瘍活性(-)-laulimalideのC3-C12フラグメントを合成した。 金属カルベノイドの反応をさらに金属ニトレノイドへ展開した。 カルバメート類のC-Hアミノ化反応を利用する免疫調節薬(+)-congeninの合成 (R)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチルを対応するカルバメートに変換し,Rh(II)触媒C-Hアミノ化により(S)-4-メチル-2-オキソオキサゾリジン-4-カルボン酸メチルを得た。オキサゾリジノン環を開裂してN-Boc-α-メチルセリンメチルエステルに導いた。一方,(3)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸メチルから(2R,3S,4R)-2,4-ジアセトキシ-3-メチルペンタン酸を合成した。最後に合成したα-メチルセリンとペンタン酸のアミド化により(+)-conageninを合成した。さらに,合成中間体をもちいて,メチル基の一つ少ない類縁体を2種合成した。 カルバメート類のC-Hアミノ化反応を利用するα-メチルアミノ酸類の簡便合成 3-シリルオキシ-2-メチルプロピルカルバメートのRh(II)触媒C-Hアミノ化は高収率で対応するオキサゾリジノンを与えた。これは容易に種々のα-メチルセリン類の有用な合成中間体である(R)-および(S)-2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールモノエーテルに変換された。 カルバメート類のC-Hアミノ化反応を利用するスフィンゴシン関連物質(+)-pachastrissamineの不斉合成 (2S,3S)-3-ヒドロキシ-2-テトラデシル-2,3,4,5-テトラヒドロフランを不斉合成し,そのカルバメートのRh(II)触媒C-Hアミノ化により対応するオキサゾリジノンを得た。このものをアルカリ加水分解して(+)-pachastrissamineを得,最初の不斉合成を達成した。
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