研究課題/領域番号 |
17590046
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
池川 繁男 近畿大学, 薬学部, 教授 (90111301)
|
研究分担者 |
三田村 邦子 近畿大学, 薬学部, 講師 (70242526)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 胆汁酸 / LC / MS / グルタチオン抱合体 / アシルアデニレート / CoAチオエステル / タンパク質 / リトコール酸 / ラット / 抗体 / 胆汁酸CoAリガーゼ / 二次元電気泳動 |
研究概要 |
本研究では、初めに胆汁うっ滞や大腸癌と関連して重要視されるリトコール酸(LCA)修飾タンパク質の捕捉と構造解析を目的として、まず、LCAのステロイド核に相補的で高い特異性を有する抗体を創出し、これによるラット肝細胞内LCA修飾タンパク質の捕捉とMSによる構造解析を試みた。その結果、LCAとRab関連タンパク質との共有結合付加体が存在し,これが肝疾患と深く関わることを示した。引き続き、ヒト主要胆汁酸5種のグルタチオン(GSH)抱合体標品を化学合成するとともに、これらのLC/ESI-MSnによる高感度直接一斉分析法を構築し、本法によってラット肝における胆汁酸のin vitro並びにin vivo GSH抱合体への変換を実証し、胆汁酸のGSH抱合という新規代謝経路の存在を明らかにした。また、胆汁酸修飾タンパク質の生成とGSH抱合への変換を統合的に解析する上で、鍵を握る代謝活性中間体(アシルアデニレートやCoAチオエステル)の生成を触媒する胆汁酸のCoAリガーゼ(rBAL並びにhBAL)を発現する大腸菌並びにHEK293細胞株の樹立にも成功した。これらの実績と経験を基に肝毒性や大腸癌発症のプロモーターとして知られるLCAを不溶性担体に固定化して用いるアフィニティークロマトグラフィーによって、LCAに親和性を持つラット肝細胞内の疾患関連タンパク質の捕捉と構造解析を試み、LCAに親和性を持つ各種酵素タンパク質の存在を明らかにし、LCAの肝毒性を考える上で極めて興味ある新たな知見を加えることができた。さらに、LCAをリガンドとするGタンパク質共役型受容体の発現亢進が、各種の癌と深く関わることが想定されることから、分子生物学的手法によって調製した組み換え型GPCRを免疫抗原としてモノクローナル抗体を作成し、これを用いるウエスタンブロットによって大腸菌細胞由来WiDrのみならず食道癌細胞にも発現していることを明らかにした。
|