研究課題/領域番号 |
17590048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松本 健一 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (30202328)
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研究分担者 |
有賀 寛芳 北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20143505)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / テネイシン / 血清型 / コラーゲン線維形成 / 接着活性 / 癌 / 脂肪酸 |
研究概要 |
本研究では、細胞外マトリックス。テネイシンX(TNX)の総合的機能解析を目指し、その中でも特に、コラーゲン線維形成への役割をより調べるために、まずマウス臓器よりTNXを簡便に精製する系を構築した。その過程で我々は、TNXが臓器以外の血清中にも、多く存在することを明らかにした。血清型TNX(sTNX)は、プロテアーゼにより、細胞間に存在する間質TNX(iTNX)の切断により生じ、sTNXはiTNXのC末端領域、約200kDaを特つことが明らかとなった。精製TNXを用いて、コラーゲン線維形成を検討したところ、肝臓、腎臓、肺臓由来のどのTNXにおいても、コラーゲン線維形成を亢進させることが明らかとなった。さらに、レクチン・ブロット解析法により、TNXに結合している糖鎖構造の、臓器間での差異を明らかにした。 また、精製したTNXを用いてその生物活性を明らかにした。TNXの細胞接着活性を検討したところ、L細胞、MCF7細胞、H1299細胞に対して細胞接着活性を殆ど示さないことが明らかとなった。また、TNXをコートしたディッシュ上に培養した細胞においては、強い接着活性を特つフィブロネクチン(FN)やI型コラーゲン(Col I)上での細胞接着時に見られる、細胞内のアクチンストレスファイバーや接着班を、観察することはできなかった。さらに、TNXのコーティングにより、細胞接着によるシグナルにより活性化されるfocal adhesion kinase(FAK)のリン酸化は、殆ど起こらなかった。このことより、TNXは、テネイシンファミリーに属する他のメンバーであるテネイシンCと同様に、細胞に対して殆ど接着活性を有しないことが明らかとなった。
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