研究課題/領域番号 |
17590051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
多田 周右 東北大学, 大学院薬学研究科, 助手 (00216970)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遺伝子構造安定性維持機構 / RecQファミリーDNAヘリカーゼ / BLM / WRN / RecQL4 / DNA二本鎖切断修復 / 非相同末端結合修復 / Xenopus卵抽出液無細胞実験系 / RecQファミリー / DNAヘリカーゼ / DNA-PK / RecQヘリカーゼ / DNA二本鎖切断 / DNA組換え修復 / checkpoint機構 |
研究概要 |
本研究では、DNA傷害の検知と修復の過程を生化学的に捉えることを目的とし、遺伝子構造安定性維持機構に重要な役割を果たすBLM、WRN、RecQL4などのRecQヘリカーゼの挙動と機能を解析の中心に据え、これを手がかりとしながら広範なメカニズムを解析の対象とすることを目指してXenopus卵抽出液を用いた実験系による検討を行った。まず、高発がん性を特徴とするBloom症候群の原因遺伝子産物BLMのDNA二本鎖切断(DSB)に依存した挙動の変化について検討したところ、DSBに応じたDNA依存性プロテインキナーゼおよびATMによるBLMのリン酸化が観察された。早老症に分類されるWerner症候群、Rothmund-Thomson症候群の原因遺伝子産物であるWRN、RecQL4についてはDSBに応じたクロマチンへの結合の増加が認められた。両者の結合は一本鎖DNA結合タンパク質複合体(RPA)を反応系から除去することにより抑制されたが、DNA組換え修復機構に必須と考えられるRad51の機能を抑止しても変化は認められなかった。このうちRecQL4については、DSBの指標となるリン酸化型ピストンH2AX(γH2AX)の減少を検出することによりDSB修復効率について検討した結果、RecQL4免疫除去卵抽出液を用いた場合にγH2AXの減少の顕著な遅れが観察された。次に、checkpoint経路の起点となるATR/ATMの阻害剤であるcaffeine、ATMだけでなく非相同末端結合修復(NHEJ)に関わるDNA-PKも阻害するwortmanninを卵抽出液に添加したところ、DSBに応じたRecQL4のクロマチン結合が減少した。この効果はcaffeineよりもwortmanninで顕著であったため、RecQL4はDSB修復過程においてDNA-PKの下流で機能していることが示唆された。そこで、DSBを誘導したクロマチンとRecQL4を結合させた後に免疫沈降を行ったところ、沈降画分中にDNA-PKのサブユニットであるKu70が検出された。以上の結果より、RecQL4がNHEJに関与してDSB修復機構に寄与することが示唆された。
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