研究課題
基盤研究(C)
レギュカルチン(regucalcin)は多機能性を有する細胞内情報伝達系の制御蛋白質である。本蛋白質は臓器特異的発現を示し、特に肝臓及び腎臓に高発現しており、心臓並びに大脳においても僅かであるが発現している。本研究は、レギュカルチン遺伝子の臓器発現を調節する転写因子を同定し、その機能を解析することにより、臓器特異的遺伝子発現の仕組みを解明することを目的としている。これまでの研究で、レギュカルチンプロモーター領域(-710〜+157)のTTGGC配列(-512付近)に結合する転写因子NF-A1とRGPR-P117(新規)を見出した。本年度においては、クローン化ラット近位尿細管NRKS2E細胞培養系において、これらの蛋白質のcDNAを遺伝子導入し、レギュカルチンmRNAの発現が増進されるのかを、TTGGC配列欠失ムュータントを用いて、レポータージーン(ルシフェラーゼ)アッセイ法で調べた。NF-A1あるいはRGPR-P117遺伝子導入細胞培養系において、レギュカルチンmRNAが有意に増加し、TTGGC配列を欠失したミュータントにおいてはその発現増加がみられず、レギュカルチン遺伝子発現を高める転写因子としてのNF-A1とRGPR-P117の役割が明らかになった。さらに、神経細胞に分化する未分化胚性腫瘍細胞株P19細胞の培養系において、神経細胞への分化にともなって、レギュカルチンプロモーター領域(-710〜+157)のどの部分に転写活性を高める領域が存在するのかを調べた。プロモーター領域(-81〜-69)に転写活性を増進する因子が作用し、-102〜-81の領域にその治性増加を制御(折制)する因子が存在することを見出した。分化した神経細胞においても、転写促進と折制に関与する因子が見出された。
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