研究課題/領域番号 |
17590070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 助教授 (90251438)
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研究分担者 |
山口 真二 帝京大学, 薬学部, 助手 (60398740)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | cofilin / LTD / slingshot / LTP / 海馬 / 棘突起 / Dendritic spine / 錐体細胞 / Slingshot / 長期抑圧 / 長期増強 |
研究概要 |
本研究目的は、生後の哺乳類脳において、長期記憶や学習に重要な役割を果たす海馬のPyramidal neuronが、電気活動によってどのような形態変化を起こすかを調べることである。代表者らは、海馬のPyramidal neuronの樹状突起上に存在するシナプス棘突起(Dendritic spine)の形態変化を調べ、LTDを起こさせる低頻度刺激を局所的に与えると、刺激した近傍の棘突起の体積が急速に縮小したり、消失することを見出した。17年度は、低頻度刺激がどのような分化段階の棘突起に作用し縮小、消失させるのかを系統的に解析した。方法は、海馬CA1領域のPyramidal neuron1個を選び、蛍光色素を使って、ホールセルパッチ記録を行った。同時に2光子励起蛍光顕微鏡を用いてイメージングを行った。次に、限定された数の棘突起だけに低頻度刺激(1Hz)を与えた。そして、どのような形状の棘突起が形態変化したのかを調べた。その結果、低頻度刺激は棘突起の形態に拠らず一様に縮小、消失を引き起こしたことがわかった。この結果は、低頻度刺激による棘突起に形態変化が、棘突起の分化段階に依存しないことを示している。18年度は、形態変化を引き起こす細胞内情報伝達経路の解析を行った。細胞内骨格の制御因子として知られるcofilinは、Slingshotによって脱リン酸化されて活性化される。Slingshotによって脱リン酸化されるセリン残基を含むcofilinのリン酸化部分ペプチドをインジェクションし、棘突起の形態変化が影響されるか否かを調べた。その結果、棘突起の形態変化は、リン酸cofilinペプチドによってほぼ完全に阻害されることがわかった。この結果は、低頻度刺激による棘突起の形態変化には、Slingshotによってcofilinが脱リン酸化され、活性化されることが重要であることを示す。
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