研究課題/領域番号 |
17590076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
谷口 隆之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10111957)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 神経ネットワーク / アルツハイマー病 / 脳梗塞 / パーキンソン病 / 神経形態形成 / 胚性幹細胞 / ミクログリア / 移植 / 神経保護作用 / 神経幹細胞 / ドパミンニューロン / 黒質-線条体 / 視床下核 |
研究概要 |
ヒト神経芽細胞に野生型あるいは変異型ヒトプレセニリン(PS)1を遺伝子導入し、細胞の異常形態形成に対するPS1の関わりを解析した結果、フラグメント型PS1が形成されないドミナントネガティブ変異型PS1を過剰発現させた細胞でのみ神経様突起形成が認められなかったことから、PS1は細胞骨格関連蛋白質の発現量に作用し、神経突起の形成に重要であることが示唆された。一方、ラット発育脳を用いてアクチン重合関連蛋白質であるN-WASPやWAVEの発現・局在を解析した結果、脳の発育と共にこれらの蛋白質は増加すること、さらにプレシナプスに豊富に存在していることが示唆された。以上のことから、神経発芽や神経形態形成に必須な上流因子としてのPS1の機能が明らかとなり、アクチン関連因子など形態形成に関わる因子が正常な脳神経ネットワークの構築や維持に関与していることが示唆された。 脳梗塞モデルラットを用いた解析では、初代培養ミクログリアやマウスES細胞または分化誘導したES細胞由来のニューロン様細胞を移植することによって、運動機能の改善および虚血性神経細胞死の抑制が認められた。ミクログリアの移植では、外来性ミクログリアが脳内傷害部位に遊走・集積し、さらに神経栄養因子であるGDNFを産生して神経保護作用に寄与していることが示唆された。マウスES細胞移植では、ES細胞由来のニューロン様細胞を移植することでより早期および高い改善傾向が見られた。 パーキンソン病モデルラットを用いたマウスES細胞移植実験においても、未分化ES細胞移植と比べ、ES細胞由来のニューロン様細胞を移植するとより良い改善効果が得られ、黒質あるいは視床下核と線条体への同時移植によって改善効果が促進された。さらに、家族性パーキンソン病(PARK7)の原因遺伝子として同定されたDJ-1は活性酸素種のスカベンジ作用により神経保護作用があることが示唆された。
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