研究課題
基盤研究(C)
本年度の研究実施計画に基づいて、以下の研究成果を得た。1.マスト細胞のフィプロネクチンへの接着反応のメカニズムの解析:マスト細胞のPGE2刺激によるフィプロネクチンへの接着反応は、細胞膜にある2つのPGE2受容体のEP4とEP3を介して惹起されていることがわかった。それぞれの受容体を介する接着反応の細胞内シグナルを解析したところ、EP4受容体を介するシグナルはcAMP-PKA系であるが、EP3受容体のそれはPLC-Ca^<2+>-PKC系であることを証明した。両反応の発現は、時間軸で異なり、前者は5-6時間頃、後者は15時間頃に顕著となる。どちらの系でも、フィプロネクチンへの接着反応はミオシン短鎖キナーゼによるミオシンのリン酸化とそれによるインテグリンーフィプロネクチンの会合促進によることがわかった。2.フィプロネクチン接着マスト細胞の乖離反応のメカニズムの解析:PGE2刺激で惹起したフィプロネクチン接着マスト細胞は、Ca^<2+>-カルモジュリン系を介して乖離反応を起こしていることがわかった。さらに、この乖離反応はミオシン短鎖キナーゼ活性に依存しており、リン酸化ミオシンで乖離することを証明した。In vitro系において、マスト細胞がフィプロネクチン以外の疎水性/親水性残基に結合することを見いだした。3.アレルギーモデルマウスにおけるマスト細胞のマトリックスへの接着反応の解析:マウス背部皮下に空気嚢を作成し、その嚢腔内にマスト細胞を封入し、PGE2刺激により嚢腔周辺の結合組織のフィプロネクチンやラミニンに接着するマスト細胞数を定量するというin vivo細胞接着実験系を初めて作成することに成功した。PGE2は、アゴニスとおよびアンタゴニストを用いた実験系により、EP4受容体を介してin vivoでは接着を促進することを明らかにした。
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