研究課題/領域番号 |
17590082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
得丸 博史 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教授 (70262160)
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研究分担者 |
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50010103)
山口 健太郎 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (50159208)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | シンタキシン / シナプス伝達 / ケージドペプチド / 神経伝達物質放出 / スネア複合体 / スネアー複合体 |
研究概要 |
本研究では、神経伝達物質放出に関わるsynaphin(Syp)の生理的役割を解明するために、Sypの関与する反応が、(1)いつ起こるのか、(2)どのようにSNARE複合体をオリゴマー化するのかを明らかにし、さらに(3)SNARE複合体オリゴマーの詳細な特徴づけを行うことを目的とする。以下に具体的に述べると、 (1)ケージドペプチドと電気生理学的測定を組み合わせた高時間分解能解析により、Sypの働く時期を明らかにする。 (2)SNARE複合体オリゴマー化に関わるSypの活性部位を明らかにする。 (3)CSI-MS(コールドスプレーイオン化質量分析法)を用いてSNARE複合体オリゴマーの会合状態を明らかにする。 (1)ケージドペプチドを用いた神経伝達におけるsynaphinのタイミングの測定 1)脱ケージ化は、レーザー光のエネルギーに依存的かつ飽和的に起こることがわかった。よってエネルギー量を調節することにより活性ペプチド濃度をコントロールすることが可能となった。 2)脱ケージ化による阻害速度はペプチド濃度依存的かつ飽和的に増加することがわかった。 3)脱ケージ化による阻害速度はシナプス活性によっても変化する。このことから、Sypがプライミング過程で働くことが明らかとなった。 4)脱ケージ化による阻害速度は高シナプス活性で最大に達することがわかった。最大阻害速度の逆数から、Sypが働く時期はシナプス小胞が融合する直前180msecことがわかった。 (2)SNARE複合体オリゴマーヒに関わるSypの活性部位の同定 Sypの部分欠損タンパク質(N末端側1/3,中心部1/3,C末端側1/3)を作製し、in vitroアッセイにおいて、どの部分がSypのSNARE複合体オリゴマー化活性を阻害するかどうか調べた。その結果、C末端1/3のペプチド(アミノ酸配列75-134)が用量依存的にSNARE複合体オリゴマー化を阻害した。このペプチドを、ヤリイカ巨大シナプス前神経終末に注入すると、シナプス伝達の阻害が観察された。このことから、SNARE複合体オリゴマーはシナプス伝達に必要であることが示唆された。
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