研究課題/領域番号 |
17590101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
木津 良一 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (80143915)
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研究分担者 |
早川 和一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40115267)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 多環芳香族炭化水素 / アリル炭化水素受容体 / 男性ホルモン受容体 / シグナルクロストーク / CYPIAI / リアルタイムPCR / レポーターアッセイ / siRNA / CYP1A1 / 抗男性ホルモン作用 / タンパク複合体 / 免疫沈降 / 代謝物 / LNCaP細胞 |
研究概要 |
多環芳香族炭化水素(PAH)の抗男性ホルモン作用におけるアリル炭化水素受容体(AhR)の役割について種々研究し、以下の成果を得た。1.代謝物は抗男性ホルモン作用は弱く、PAHの抗男性ホルモン作用における代謝物の寄与は小さい。2.PAHの抗男性ホルモン作用は、細胞内の男性ホルモン濃度の低下または男性ホルモン受容体(AR)発現レベルの低下に基づくものではない。3.PAHの処理によりAR-AhR複合体が形成される。4.DJ-1はARと複合体を形成し、男性ホルモンの作用発現の調節に関わっているタンパク質であるが、ARとDJ-1の間の複合体形成はPAHにより影響されない。5.男性ホルモン応答性遺伝子の転写調節領域にはAhR応答配列が存在するが、これらは抗男性ホルモン作用に重要でない。以上の研究結果から、PAHの抗男性ホルモン作用は、PAHにより活性化されたAhRがARと複合体を形成し、ARの転写因子としての機能を阻害することに基づくと考えられた。引き続き、AhRとARのシグナル伝達経路のクロストークについて研究し、以下の成果を得た。6.男性ホルモンの一つのDHTは、AhRで転写調節される遺伝子の一つであるCYP1A1のmRNAレベルを上昇させ、この効果はDHTの濃度依存的である。7.同様の効果はARアゴニストの一つであるR1881でも見られる。8.siRNAでARをknock-downした系ではDHTの効果は見られない。9.AR応答配列のみで転写活性化されるレポーターアッセイではDHTの作用は見られない。以上の結果から、活性化されたARはCYP1A1遺伝子の転写調節領域に作用してCYP1A1遺伝子の転写を亢進することが明らかになり、その結果、AhRとARのシグナル伝達経路問にクロストークが存在することが明らかになった。
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