研究課題
基盤研究(C)
細胞性粘菌Dictyostelium discoldeumは、最も下等な多細胞生物の1種であり、発生過程の最後に胞子塊と柄より成る子実体を形成する。細胞性粘菌の柄細胞分化誘導因子として、粘菌細胞が産生する低分子脂溶性物質DIF-1が同定されている。我々は、このDIF-1に抗腫瘍活性があることを発見し、以来、その作用機構の解析を行ってきた。細胞性粘菌Dictyostelium discoldeumは、最も下等な多細胞生物の1種であり、発生過程の最後に胞子塊と柄より成る子実体を形成する。細胞性粘菌の柄細胞分化誘導因子として、粘菌細胞が産生する低分子脂溶性物質DIF-1が同定されている。我々は、このDIF-1に抗腫瘍活性があることを発見し、以来、その作用機構の解析を行ってきた。近年我々は、DIF-1がphosphodiesterase 1 (PDE1)の直接の阻害剤であることを発見した。しかし、DIF-1が示す作用は、DIF-1によるPDEI阻害だけでは説明できない面があり、DIF-1の作用機構の詳細は不明である。本研究において、我々は以下のように研究を進め、成果を挙げている。1.30種類ほどのDIF-1の誘導体を化学合成し、それらの活性を比較し、化学構造-活性相関解析を行った。その結果、DIF-1より強力な抗腫瘍剤の候補物質を複数同定した。この構造を参考にさらに有効な誘導体開発を進めている。2.DIF-1は、各種細胞の増殖を阻害する。DIF-1の作用機構を解明する目的で、RNAi法を利用して、DIF耐性株(HEK293細胞)の単離を試みている。3.我々はDIF-1の研究を進める過程で、「DIF-1が細胞の糖代謝を促進する」ことを発見した。4.また、細胞性粘菌におけるDIF-1の作用機構解析を行い、DIF-1は細胞内カルシウムとプロトン濃度を上昇させることにより機能することを示した。5.粘菌由来の新たな薬理活性物質を発見した。6.DIF-1研究の過程で、偶然にも亜鉛がCalcineurin活性の阻害剤であること、亜鉛がJurkat T細胞においてMitogen刺激によるIL-2産生を阻害することを見い出した。
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