研究課題/領域番号 |
17590130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 純三 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30115901)
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研究分担者 |
西田 孝洋 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237704)
麓 伸太郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70380988)
中嶋 幹郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00260737)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 薬学 / 癌 / 遺伝子 / 制癌剤 / 肝臓 / 5-fluorouracil / 薬物送達 / DDS |
研究概要 |
肝臓表面投与法を癌化学療法に応用するためには、制癌剤の徐放化や局所滞留性の向上を目的とした製剤の開発が必要となる。本研究では、製剤の粘性添加物に着目し、ラット肝臓表面からの5-fluorouracil(5-FU)の吸収動態に及ぼす粘性添加物の影響について検討した。その結果、粘性添加物を用いることにより、5-FUのラット肝臓表面からの吸収動態を制御できる可能性が示された。本研究では、粘性添加物を用いたが、肝臓表面への適用司能な製剤としてシート、パッチ、温度感受性ポリマーを利用したハイドロゲル製剤などが有用ではないかと考えている。今後は、より最適な剤形や添加物の選択を行い、肝臓表面投与の癌化学療法への応用に向け、肝臓表面投与後の薬物吸収制御及び投与部位における局所滞留性の向上を目指した検討を更に進めていく予定である。 遺伝子治療は、将来の医療の主要な技術として、癌等の後天的な難治性疾患に対する有効な治療法となることが期待されている。臨床において治療効果を発揮するためには、標的臓器への十分な治療用遺伝子の導入が必要である。これまでに、肝臓表面からの直接的な吸収を利用することで、肝臓の特定部位へ薬物を選択的に送達できる司能性を世界で最初に示してきた。そこで肝臓の特定部位への選択的な新しい遺伝子導入法として、プラスミドDNAの肝臓表面への直接投与の発想に至った。マウスにおいて、プラスミドDNAの肝臓右中葉表面への微量滴下投与により、肝臓並びに肝臓投与葉選択的遺伝子発現が認められた。更に、微量注入装置を用いて持続的に微量滴下したところ、肝臓投与葉特異的な遺伝子発現がみられた。これらの研究成果は、肝臓癌に対する新しい遺伝子送達法の確立のための基礎的知見となり、将来の臨床適用が期待される。
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