研究課題
基盤研究(C)
【研究の背景と目的】胞胚期の予定心臓領域は胚盤葉上層外側後方に存在し、胚盤葉上層と胚盤葉下層の組織間相互作用によって心臓中胚葉心筋に分化する。本研究の目的はこの組織間相互作用を司る分子機構を明らかにすることである。【結果】ニワトリ胞胚の予定心臓領域を無血清で培養し、NodalアンタゴニストであるLeftyを添加したところ心臓中胚葉は形成されなかった。またFGF8の作用を阻害するSU5402や抗FGF8抗体も心臓中胚葉の形成を抑制した。一方、機能獲得実験では予定心臓胚盤葉上層はNodalあるいはFGF8のみによって心臓中胚葉に分化しなかった。しかしNodal+FGF8を添加したところ、胞胚期の胚盤葉上層は心臓中胚葉/心筋に分化した。インサイチュハイブリダイゼーションによりNodal mRNAは胚盤葉上層後方に、FGF8は胚盤葉下層後方に発現していた。またBMPは心臓中胚葉形成を抑制することが報告されているが、BMPによる抑制効果はFGF8によって消失した。この際、FGF8はNodal下流のsmad2シグナルを増強し、BMPアンタゴニストであるchordinの発現を誘導することがわかった。【結論】胞胚期に胚盤葉上層細胞に作用して心臓中胚葉を誘導する因子は、胚盤葉上層に発現するNodalと胚盤葉下層に発現するFGF8であった。これらの因子には上下関係はなく協調的に胚盤葉上層に作用し、心臓中胚葉を誘導することが判明した。
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