研究課題
基盤研究(C)
ラット下垂体前葉において、従来その存在が明確でなかった、複数種のホルモンを産生する細胞を検出した。1.ラット下垂体前葉の細胞分離と短期培養、細胞の組織化学的染色による細胞の標識および細胞の解析法の確立を行った。LHβ、GHのmRNAおよびホルモン蛋白を同一細胞において検出する際には、HRPポリマー標識抗体とビオチン標識抗体・抗ビオチン抗体を用いたサンドイッチ法を用いて酵素発色させる手法が、感度・特異性の点で優れていることがわかった。また、二重標識細胞の定量的解析には、TSA増感法と蛍光標識法を組み合わせた2重標識法が適用可能であることがわかった。2.正常性周期および卵巣除去ラットでのLH/GH細胞の出現を確認した。卵巣除去1週でのLH/GH細胞の割合は、正常性周期を示す雌ラットで最も多く見られる発情前期に対しても顕著な上昇が認められた。特に、全GH蛋白質陽性細胞に対するLHβmRNA陽性細胞の割合が有意に高かった。卵巣由来ステロイドホルモンがなく、卵巣除去ラットでLH/GH細胞が高頻度で見られたことは、GnRH分泌亢進による刺激がLH/GH細胞の出現に一定の関与をしていることを示唆する。3.転写制御因子Pit-1に関しても、ホルモンとの二重陽性細胞について検討した。LHβmRNAまたはLHβ蛋白質とPit-1蛋白質の組み合わせにおいて共陽性細胞が検出された。ただし、その出現頻度は低く、LHβ陽性細胞のうちの最大でも3%未満程度であった。頻度は、雌ラット正常性周期では、発情前期で高く、発情間期で低い傾向があった。このことは、昨年度の成果として報告したLHβ/GH共陽性細胞の存在を、別の角度から明らかにしたものである。LHβ/Pit-1共陽性細胞の頻度は、LHβ/GH共陽性細胞の頻度よりも低く、その一部の細胞を検出している可能性がある。
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