研究課題/領域番号 |
17590179
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
長谷川 義美 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (40288494)
|
研究分担者 |
野村 隆士 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20325161)
下村 敦司 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (50340237)
向後 晶子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (20340242)
山田 晃司 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (60278306)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,810千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | ICAT / Wntシグナル伝達系 / 尿管芽分岐 / 腎臓欠損 / 後腎欠損 / アポトーシス / 後腎発生 |
研究概要 |
Wntシグナル伝達系の抑制因子であるICAT(Inhibitor of β-catenin and T-cell factor)はβ-カテニンと直接結合し、核内でβ-カテニンと転写因子TCF/LEFの相互作用を負に制御する。ICATノックアウトマウスの形態解析により、胎生18.5日のホモタイプで12.5%の腎臓欠損が見つかった。欠損側の副腎や生殖腺では異常が認められないこと、ホモタイプでも形成される腎臓は他のタイプと大きさに差異がないことより、腎臓欠損は後腎形成初期にその原因があると考えられた。 ワイルドタイプを用いて後腎初期のICAT発現を詳察した。胎生11.5〜12.5日に尿管芽上皮と後腎間葉共に発現が高く、胎齢が進むに従い尿管芽のICAT発現は高いままであったが、後腎間葉と腎小胞では発現の低下がみられた。 胎生12.5日のホールマウント後腎で尿管芽分岐を比較をしたところ、ホモタイプの尿管芽先端数は有意にヘテロタイプ後腎より少なかった。特にこの時期のヘテロタイプには見られなくなった2分岐のみの後腎がホモタイプで22%認められた。この2分岐後腎に焦点を絞り、ワイルドタイプの胎生12.0〜12.5日後腎で観察したところ、ホモタイプ後腎における尿管芽分岐は約半日ほどの発生の遅延が認められた。 2分岐後腎を凍結切片にしてアポトーシスを調べた。ワイルドタイプの胎生12.0〜12.25日後腎では周縁部と髄質の間葉に少数のアポトーシスが見られたのに対し、ホモタイプの胎生12.5日後腎では未凝集の間葉細胞に多数のアポトーシスが認められた。これらの結果より胎生12.5日のホモタイプのうち2分岐のみの後腎は、尿管芽の遅延により上皮-間葉シグナルを受けられない間葉細胞の多数にアポトーシスが発現し、これが原因となって腎臓欠損が生じるのではないかと考察した。
|