研究課題/領域番号 |
17590191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
新里 直美 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (00237645)
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研究分担者 |
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00127036)
宮崎 裕明 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (30360027)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ENaC / src kinase / PTP / PP2 / ナトリウム再吸収 / [Cl-]i / 細胞容積 / cytosolic Cl^- / 浸透圧 / センサー / Src family kinase / クロライド / Na^+ 再吸収 |
研究概要 |
腎臓におけるナトリウム再吸収は、体液量やその組成などの恒常性維持や血圧調節に重要な役割を担っており、血漿浸透圧や様々なホルモンによる調節を受けている。 我々はこれまでに長期的な低浸透圧刺激が上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)のalpha-subunit遺伝子発現を介してナトリウム再吸収を亢進し、さらに、細胞容積変化を介した細胞内クロライド濃度([Cl^-]_i)減少依存的にsrc kinase(チロシンキナーゼ)の活性制御に関わることも見出した。これらの結果を踏まえて、「低浸透圧刺激は、細胞容積変化を介する[Cl-]i減少によりsrc kinaseを活性化し、活性化したsrc kinaseはENaC遺伝子発現を亢進して、ナトリウム再吸収を促進する」との仮説を立て、低浸透圧刺激によるナトリウム再吸収亢進メカニズムの解明を目的に、研究を行なった。その結果、以下のことを明らかにすることができた。 1.低浸透圧刺激は、細胞容積膨張とそれに引き続く調節性容積減少により2段階に[Cl^-]_iを減少させる。 2.[Cl^-]_i減少は、src kinaseの活性化部位のチロシンリン酸化レベルを増大させて、src kinaseを活性化させた。 3.クロライド依存的なsrc kinaseの活性に対するチロシンフォスファターゼ(PTP)阻害剤の影響から、src kinaseの活性化部位を脱リン酸化するPTPは、[Cl^-]_iが高いときに活性が高い。 4.src kinaseの特異的阻害剤は、ENaCの遺伝子発現・ナトリウム再吸収亢進を抑制した。 これらの結果から、長期的な低浸透圧刺激は、細胞内の[Cl^-]_i減少を介してsrc kinaseの活性化部位を脱リン酸化するPTPの活性を低下させ、結果としてsrc kinaseの活性化を引き起こす。活性化したsrc kinaseは、下流の転写因子の活性化を介してENaCの遺伝子発現を亢進し、ナトリウム再吸収を亢進していると考えられる。
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