研究課題/領域番号 |
17590193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
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研究分担者 |
上嶋 繁 近畿大学, 農学部, 教授 (30193791)
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 講師 (20185432)
河尾 直之 近畿大学, 医学部, 助手 (70388510)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | バイオテクノロジー / 血管新生 / タンパク分解活性 / 遺伝子発現調節 / t-PA / t-PAR系 / 蛋白分解活性 |
研究概要 |
培養血管内皮細胞より精製したt-PARはt-PAと特異的に結合し、この結合にはt-PAのリジン結合領域が関与しており、結合したt-PAの酵素活性を増強することをすでに明らかにした。さらに、t-PARをコードするcDNAから組換えt-PARを発現させ、t-PAとの相互作用を証明した。本研究では、t-PAR cDNAを血管内皮細胞膜表面上に発現させることによって生じる細胞の生理学的機能への影響について検討した。 細胞膜特異的に目的タンパクを発現させるベクターにt-PAR cDNAを組込み、t-PAR/myc/His融合タンパクとして血管内皮細胞に発現させた。細胞膜にt-PARを過剰発現した血管内皮細胞とt-PAの相互作用を生体分子間相互作用解析装置(IAsys)を用いて検討した。t-PAとt-PAR過剰発現血管内皮細胞の結合はコントロール(LacZ-transfected)血管内皮細胞に比べ増加した。しかし、t-PAをDFPによって酵素活性を阻害しても結合に影響を及ぼさなかったので、t-PAと細胞表面t-PARの結合にt-PAの酵素活性は関与しないことが示された。 また、細胞表面でのt-PAの酵素活性について合成基質法により検討した。t-PAR過剰発現血管内皮細胞にt-PAを反応させるとコントロール血管内皮細胞に比べ顕著なプラスミノゲン活性化が見られたが、t-PA抗体を共存させるとこの活性は有意に減少した。したがって、t-PAは細胞表面に過剰に発現したt-PARに結合し、酵素活性を制御していることが証明された。次に、t-PAR過剰発現による増殖能への影響について検討した。その結果、t-PAR過剰発現血管内皮細胞は10%FBS存在下において、50nMt-PAで処理すると増殖能の亢進が見られた。 このように本研究において、細胞膜表面でのt-PARの性質の一部を明らかにすることができた。
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