研究課題/領域番号 |
17590215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
鈴木 史子 福井大学, 医学部, 助手 (80291376)
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研究分担者 |
森島 繁 福井大学, 医学部, 講師 (50290911)
村松 郁延 福井大学, 医学部, 教授 (10111965)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アドレナリン受容体 / カルシウムチャネル / スナピン / 細胞内カルシウム / 受容体作動性カルシウムチャネル / PC12細胞 |
研究概要 |
我々はこれまでの研究結果からα_<1A>-アドレナリン受容体(以下、α_<1A>-受容体と略)が生体内で何らかの機能的な修飾を受けていると考えた。そしてこの受容体に対する生体内相互作用分子をイースト2ハイブリッド法により検索し、スナピンを分離同定した。スナピンは神経伝達物質の遊離に関与するタンパクとして発見されたがその機能は十分に解明されていない。 PC12細胞を用いてスナピンとα_<1A>-受容体間の相互作用と受容体の機能への影響について調べたところ、スナピン共存下では受容体活性化により惹起される細胞外からのカルシウム流入が著しく増大することがわかった。さらにこの際関与しているチャネルの特性を調べたところ、受容体作動性カルシウムチャネルの分子的実体であると現在考えられているTRPCチャネルのそれと一致した。そこでスナピンとTRPC6チャネル間の相互作用を検討した結果、スナピンがα_<1A>-受容体とTRPC6チャネルの両分子と相互作用して"α_<1A>-受容体-スナピン-TRPCチャネル"というリンクを形成することを明らかにした。このリンクによる生理反応の増大機構について本研究により明らかにしたのは以下の通りである。 α_<1A>-受容体の活性化により、 1."α_<1A>-受容体-スナピン-TRPC6チャネル"間の相互作用がそれぞれ増強する。 2.細胞の非興奮時にはTRPC6チャネルはその多くが小胞体膜上に存在しているのに対して、α_<1A>-受容体の活性化によりこのチャネルが細胞膜上への移行する。 3.細胞膜上のTRPC6チャネルが増大したことにより、このチャネルを介した細胞外からのカルシウム流入が著しく増大かつ持続する。 このように"α_<1A>-受容体-スナピン-TRPCチャネル"間のリンクが生体内でのα_<1A>-受容体の機能を調節する役割を担っていることを明らかにした。
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