研究課題/領域番号 |
17590223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
木村 純子 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10186322)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Na^+ / Ca^<2+>交換輸送体 / H9c2細胞 / mRNA / フルバスタチン / リゾフォスファチジル / H_2O_2 / geranylgeranyltransferasferase / Srcキナーゼ / 心筋 / スタチン / プレイオトロピック作用 / リゾフォスファチジルコリン / 低分子量G蛋白質 / RhoB / ゲラニルゲラニルピロリン酸 / Na-Ca交換体 / mRNA安定性 / ファルネシルピロリン酸 |
研究概要 |
(1)H9c2細胞で高脂血症薬フルバスタチンが心筋型Na^+/Ca^<2+>交換輸送体(NCX1)のmRNA量を減少させることを見出した。この機序は、フルバスタチンがHMG-CoA還元酵素を抑制し、メバロン酸代謝の下流でゲラニルゲラニル基を枯渇させるために、低分子量G蛋白質のうちRhoBの活性化が抑制され、NCX1のmRNA発現量が減少したためであることが示唆された。 (2)また、リゾフォスファチジルコリン(LPC)が、NCX1のmRNAと蛋白の発現量を増加させることを見出した。この機序は、LPCの作用が百日咳毒素やgeranylgeranyltransferase阻害薬で抑制されることから、LPCがGi/oを介して、geranylgeranyltransferaseを活性化させることに由来することが明らかになった。今後、この作用にRhoBが関与することを示す必要がある。 (3)活性酸素がNCX電流を増大させることが報告されていたが、その機序は不明であった。我々はモルモットの心室筋を用いて、H_2O_2がNCX1電流を増大することを見出した。この作用は、OHスカベンジャーであるエダラボンや、百目咳毒素、MEK阻害薬U0126で抑制されることからH_2O_2がOHに変換され、Gi/oとMAPキナーゼを活性化してNCX1を活性化することが示唆された。さらに、低濃度のH_2O_2のNCX1電流に対する作用は、PI3キナーゼ阻害薬のボルトマンニンや、Na^+/H^+交換輸送体阻害薬のカリポライドで抑制され、また、高濃度のH_2O_2の作用は、チロシンキナーゼの1つであるSrcキナーゼ阻害薬PP2で抑制された。即ち、低濃度H_2O_2はPI3キナーゼを活性化させ、Na^+/H^+交換輸送体を活性化させることにより、細胞内Na^+濃度を高め、pHをアルカリ化することにより、NCX1を活性化することが示唆された。また、高濃度のH_2O_2はSrcキナーゼを活性化させることにより、NCX1を活性化することが示唆された。しかし、NCXのチロシンリン酸化は検出できなかったので、H_2O_2は、チロシンキナーゼを活性化して間接的にNCX1の機能を高めている可能性があることが分かった。
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