研究課題/領域番号 |
17590232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
松村 靖夫 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (40140230)
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研究分担者 |
高岡 昌徳 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50140231)
浦田 秀仁 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (80211085)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,750千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | エンドセリン / 肺性高血圧 / モノクロタリン / 低酸素 / HIF-1α / ラロキシフェン / 性差 / 性ホルモン / ラロシフェン / エストラジオール / エンドセリン受容体 / モノクロタリンピロル |
研究概要 |
1.血管内皮細胞に対する低酸素暴露がET-1産生にどのような影響を及ぼすかについて検討した結果、転写因子HIF-1α発現量が通常酸素条件下と比較して顕著に増大し、prepro ET-1 mRNA発現量は有意に増加することが判明した。さらに、antimycin Aを用いて擬似的な低酸素状態でのET-1産生応答について調べたところ、低酸素条件下と同様にHIF-1αおよびprepro ET-1 mRNA発現量の増大が認められた。次に、低酸素暴露およびantimycin A添加時のAMPK活性化について検討したところ、いずれの場合においてもリン酸化AMPKタンパク発現の顕著な増大が確認された。そこで、AMPK活性化薬であるAICARを添加し、ET-1産生に対する影響について検討を加えたところ、核内HIF-1α発現量の増加が観察され、prepro ET-1mRNA発現は有意に増加した。以上の結果から、低酸素暴露および細胞内ATPレベルの低下によりHIF-1αが活性化され、ET-1遺伝子発現が増強すると考えられた。 2.モノクロタリン(MCT)誘発性肺高血圧ラットにおける性差発現のメカニズムとET-1の関与について調べ、卵巣摘除(OVX)を行うことにより性ホルモンの関与についても検討した結果、MCT誘発性肺高血圧ラットの病態において明らかな性差は認められなかったものの、卵巣摘除処置により更なる悪化がみられた。このことから、少なくとも女性ホルモンがMCT誘発性肺高血圧ラットに対してMCTの代謝経路とは無関係に保護的に作用していることが示唆され、ET-1が関与する可能性が考えられた。 3.MCT誘発性肺高血圧モデルを用いてラロキシフェンの慢性経口投与による病態改善効果について検討した結果、本モデルで認められる右室収縮期圧の上昇、右室肥大、肺動脈中膜肥厚および右室ET-1含量の増加はラロキシフェン投与により有意に改善されるとともに、このラロキシフェンによる病態改善効果の一部に右室ET-1産生抑制用、NO産生亢進に伴う肺血管弛緩作用が関与している可能性が示唆された。
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